アポなし!新業態チェック(43)「マクドナルド」渋谷東映プラザ店ほか
●マクドナルドが新世代デザイン店舗オープン 外国人デザイナー起用しリニューアル
日本マクドナルドは去る4月25日、東京都内で既存店13店舗(うち1店舗は6月)を新世代デザイン店舗として改装オープンした。今回の新世代デザイン店舗は、「快適な食事空間の提供による店舗体験の質の向上を目指す」というテーマの下に、フランス人デザイナーのフィリップ・アバンズィー氏を起用。各店舗のデザインには、各店舗の状況に合わせて、それぞれ「クオリテ」「エッジ」「フード」「フレッシュ」「エクストリーム」という5つのコンセプトのいずれかが対応する。
店内は、ゆったりとした空間の雰囲気を出すために客席数を従来よりも削減し、また全席禁煙としている。従来置き型だったダストボックスは壁面に造り付けとなり、POPでは紙製ポスターの代わりに最新型のデジタルサイネージが導入された。一部のパッケージや店内サインのグラフィックデザインも、店舗デザインに合わせてグラフィティー風のタッチに変更され、スタッフのユニフォームやプラスチックのトレーも新たなデザインのものが採用されている。
商品自体は従来の店舗と同じものだが、100円で販売していた「ハンバーガー」「チーズバーガー」「マックフライポテト」「マックシェイク」といった商品の価格を10~50円値上げし、100円メニューをなくしている。
同社では、「不適切な立地」や「厨房に限界がある」といった特定の条件に当てはまる多数の店舗について、今後、閉鎖または移転を行うという計画を発表しており、今回のリニューアルもその計画の一環であるが、あくまで将来の方向性を見極めるための試験的な展開と伝えている。
★けんじの評価
これまでにも何度か行われてきたマックの高級化路線。今回は一気に13店舗のリニューアルということで、そのうちのいくつかを駆け足で巡ってみた。最初に臨店したのは渋谷東映プラザ店。明治通りに面しビックカメラに隣接する、渋谷でも最大級の店舗だ。入り口から、「これがマックか」と度肝を抜かれる斬新なデザイン。さすが外国人デザイナーを起用しただけのことはある。マクドナルド嫌いが多い国といわれるフランスのデザイナーをあえて起用したのも、きっとそれなりに意図的なのだろう。デザインの基本は、いま流行のグラフィック処理スタイル。壁面いっぱいにグラフィックデザイン処理されたシートが貼り付けてある。スターバックスが導入して広まった手法だ。家具類も大きく変わり、稼働率の悪そうなソファ席がかなりあるが大丈夫なのか。価格がやや高いという理由もあるのだろうが、確かに以前よりも大人の客層が多くを占めているように感じる。
その後、渋谷店、渋谷新南口店、原宿竹下通り店と、異なるデザインコンセプトの店を回るが、基本的なデザインフォーマットは各店ともほぼ同じだった。大きな面積を占めるグラフィックシートとカラースキーム(配色指定)を変えることでイメージの違いを演出しており、リニューアルによる効果はそれなりに出ているようだが、ややオペレーションが追い付いていない部分もありそうだ。ファストフードで欠品していても大丈夫なのだろうか。
それにしても、渋谷東映プラザ店のトイレは、本当に外国人が設計したとは思えないような、異様に小さなサイズだった。
(外食ジャーナリスト 鷲見けんじ)
●店舗概要
店名=「マクドナルド」渋谷東映プラザ店 ほか/開業=2010年4月25日/所在地= 東京都渋谷区渋谷1-24-12 渋谷東映プラザ2F ほか
◆鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。













