メニュートレンド:「お肉」のお寿司屋さん! 「加藤商店 肉寿司」

2010.08.02 375号 22面
「寿の足音盛り合わせ」(1300円)。左上から馬赤身、馬上赤身、豚ホルモンコラーゲン軍艦、馬ねぎとろ、牛まるちょう稲荷、左下から鶏昆布〆、馬中トロ、牛赤身、和牛炙りハラミ

「寿の足音盛り合わせ」(1300円)。左上から馬赤身、馬上赤身、豚ホルモンコラーゲン軍艦、馬ねぎとろ、牛まるちょう稲荷、左下から鶏昆布〆、馬中トロ、牛赤身、和牛炙りハラミ

横丁ブームの先駆となった「恵比寿横丁」内では、お互いの店での「出前」ができるなど、横のつながりが大切にされている

横丁ブームの先駆となった「恵比寿横丁」内では、お互いの店での「出前」ができるなど、横のつながりが大切にされている

 2~3坪程度の小店舗が連なる「横丁」スタイルが次々と登場。ファッショナブルなショップが集まるトレンド発信地恵比寿にある「恵比寿横丁」も連日大盛況をみせている。その横丁内に新たに店舗を構えたのが「加藤商店 肉寿司」。馬や牛を扱う「肉寿司」といえば、高級料亭の一品というイメージだ。それが1カン160円~というリーズナブルな値段で食べられるというから驚くばかり。そのインパクトは、確実にお客の心をつかんでいるようだ。

 ◆肉寿司の魅力深まるアイデア寿司 わずか3坪弱の店に連日40~50人のお客

 馬肉を使った「馬握り」を中心に、火を通した和牛、豚、鶏を使った肉の寿司が15品並ぶ。主力の「馬握り」は、赤身、中トロ、タン、中落ちなど部位ごとの異なる味わいを楽しめる。和牛はA4等級の黒毛和牛だけを厳選するというこだわりようだ。

 「肉だけの寿司屋というのは、日本中探しても当店だけ。安いことも大事ですが、お客さまはクオリティーも求めています。ほどほどの料理をいろいろ食べられる店より、何が食べられるのかがズバリ明らかで、安くておいしい店が支持される」と経営の(株)スパイスワークス広報担当者はオープンの経緯を語る。そのコンセプトは見事的中し、わずか3坪18席ながら、客数平均40~50人、多い日は70人超という日もあるというほどの盛況ぶりだ。

 「握り寿司」のほかに、「豚コラーゲン軍艦」「まるちょう稲荷(牛)」「昆布〆(鶏)」とユニークな肉寿司もバラエティー豊富。アボカド、アスパラ、梅しそといったヘルシーな野菜寿司もある。

 「オープン当時は、オーソドックスな握り中心でしたが、お客さまの反応を見ながらどんどん新しいアイデアを取り入れていきました」と試行錯誤の中からニーズを掘り起こしてきた。

 「同じ刺し身でも魚とは扱いがまったく違う。部位ごとの違いはもちろん、個体によって味の差が激しい。良質な肉の安定的な仕入れは肉寿司の生命線」と畜肉ならではの難しさも。

 「横丁のような小さな店が集まる場所では、価値を打ち出せることがわかった。もうすこしブラッシュアップさせれば、ほかの場所でも繁盛店にできる」と2店舗目、3店舗目への展開も視野に入れている。

 「寿の足音盛り合わせ」(1,300円)。左上から、馬赤身、馬上赤身、豚ホルモンコラーゲン軍艦、馬ねぎとろ、牛まるちょう稲荷、左下から、鶏昆布〆、馬中トロ、牛赤身、和牛炙りハラミ。薬味は会津味噌、ショウガ、ニンニクの3種。馬寿司は会津味噌だけを塗って食べるご当地での食べ方もお薦めという

 ◆店舗概要「加藤商店 肉寿司」

 経営=(株)スパイスワークス/店舗所在地=東京都渋谷区恵比寿1-7-4 恵比寿横丁内、電話03・3444・7005/開業=2010年5月/営業時間=午後5時~翌朝5時、無休/坪数・席数=3坪・18席/客単価=2300円

 ●愛用資材・食材:「自家製ガリ」 おいしさの秘密はセロリ

 寿司屋の箸休めとして欠かせないガリが同店では「ちょっとした名物料理」になってしまったそうだ。「明らかにガリをつまみに酒を召し上がってる方もいるほど。お客さまがおかわりを求める場面が何度あったことか」というほど。おいしさの秘密は具材にショウガだけでなくセロリを加えている点。系列店で人気だった「セロリぽん酢」という料理をヒントに自家製で作ったところ、一品料理に匹敵するおいしさに仕上がった。

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