近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:戸塚崎陽軒 中国料理 嘉宮「太陽伝統皇麺」

2010.12.06 381号 20面
具材は、白菜、チンゲンサイ、小松菜、タケノコ、ギンナン、ナメコ、シメジ、マイタケ、キクラゲ、ニンジン、モヤシ、ウズラ卵、芝エビ、イカ、チャーシュー、豚ばら

具材は、白菜、チンゲンサイ、小松菜、タケノコ、ギンナン、ナメコ、シメジ、マイタケ、キクラゲ、ニンジン、モヤシ、ウズラ卵、芝エビ、イカ、チャーシュー、豚ばら

強火で一気に火を通し素材の持ち味を封じ込める鈴木料理長

強火で一気に火を通し素材の持ち味を封じ込める鈴木料理長

 横浜市戸塚区の「戸塚崎陽軒 中国料理 嘉宮」は、横浜シウマイで有名な「崎陽軒」の直営飯店。ここで今年の夏、返り咲きのヒット料理が生まれた。16種類の具材が彩る「太陽伝統皇麺(タイヤンデントウオウメン)」(1260円)である。創業当初の懐かしい料理を打ち出したリバイバルフェアの1品だが、ランチを中心に日販20~30食に達する人気ぶりを見せ、フェア終了後はグランドメニューに昇格。いまなお日販20食を堅持し、看板料理に仲間入りしている。

 鈴木祥崇料理長は、「中国料理は多様な趣向が出尽くして、最近のお客さまは、簡素かつ繊細な基本回帰を要望しています」と語り、「湯(スープ)と野菜を基調とするシンプルな料理が有望」と説く。

 リバイバルからロングセラーに改めた太陽伝統皇麺の詳細を追った。

 ◆営業の概況:懐かしさと健康志向に脚光 見栄えに触発されて注文増

 1968年、崎陽軒の直営レストラン1号店として「太陽(タイヤン)」という屋号で開業。8年前にリニューアルし、現在は婚礼などの宴会施設を併設する広東料理の大型飯店として、地域客を中心に連日にぎわいを見せている。

 太陽伝統皇麺の注文はランチタイムが中心で、客層は幅広い。懐かしさに感動する年配客、野菜たっぷりの健康志向を評価する中年客や女性客、また、ディナータイムは、締め麺として複数名でシェアするケースも珍しくない。

 鈴木料理長は、「16種類の具材の彩りが奇麗なので、ほかのお客さまが食べているのを見て、『あれと同じ料理を』と注文されることも多いですね」という。

 ◆特徴と調理:シンプルに素材の持ち味を優先 最後まで飽きない彩り

 がらスープは、鶏がら7対豚骨3の2番スープ。スープの調味は、塩、コショウ、ごま油、うまみ調味料だけ。具材は全部で16品(写真参照)。麺はストレート細麺130g(生)。

 具材を炒め、紹興酒で香り付けし、がらスープと合わせ、ゆで上げた麺を盛った器に注げば完成だ。

 調味・調理はシンプルだが、強火で一気に炒めて引き立った素材の持ち味が、あっさりした塩味のスープによく合い、食べていて最後まで飽きない。何より16素材の彩りが美しく、健康イメージも満点だ。

 ◆発祥と展開:飯店の大衆訴求から誕生 惜しまれて消滅し復活

 太陽伝統皇麺は「太陽」の開業時、広東人の料理人によって考案され、「皇麺」という料理名で人気を博していた。

 鈴木料理長は、「早い話、サラッとした塩味スープの『五目そば』なのですが、スープにとろみを付けるのが一般的な広東料理には、そのような料理はありません。気軽に足を運んでもらうため、町場の中華料理店に似せて作ったのが始まりと聞きます」という。

 8年前、本格的な広東飯店にリニューアルするため、惜しまれつつメニューから消滅。そして今年7月、リバイバルフェアで復活すると、すぐに日販約20食の人気が定着し、フェア終了後の9月、グランドメニューに昇格した。

 ◆店舗情報

 「戸塚崎陽軒 中国料理 嘉宮」

 所在地=横浜市戸塚区原宿4-37/営業時間=午前11時半~午後10時、無休

 ◆エバラで再現!模擬レシピ

 スープに「肉塊湯」を使ってやってみよう!

 ●使用食材

 「がらスープ 肉塊湯(ルーカイタン)」規格=缶840g、3kg

 豚骨、鶏骨、鶏肉を主原料としたスープに豚肉の塊を加え、より肉の風味を引き出した濃縮がらスープ。スープなどの料理ベースとして、またコク付けとして幅広く活用できる。使用方法は、スープベースとして使用する場合は20~30倍、追い足しとして使用する場合は40~60倍が目安。

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