メニュートレンド:瀬戸内 広島レモン「鯛レモン鍋」

2012.12.03 405号 02面
カツオベースのだし汁に素揚げしたタイのあらとレモン果汁を丸ごと1個。タイ汁のうま味とレモンのさわやかな酸味の上品な味わい。具材はタイ、レモンの輪切り、九条ネギ、豆腐

カツオベースのだし汁に素揚げしたタイのあらとレモン果汁を丸ごと1個。タイ汁のうま味とレモンのさわやかな酸味の上品な味わい。具材はタイ、レモンの輪切り、九条ネギ、豆腐

 今年も鍋料理が恋しくなる季節がやって来た。忘年会などグループで外食する機会が多いこの時期、鍋は強力な集客メニューになる。和食店をはじめ居酒屋や和風ダイニングでは、鍋メニューで集客を狙いたいところだが、ありきたりの鍋では、客足を引きつけるには今ひとつ弱い。各店が鍋メニューの充実に頭を悩ませているなか、鍋専門店「ゆるり屋」が開発した「鯛レモン鍋」には、斬新なアイデアが生む集客パワーがある。

 ●鍋と「瀬戸内 広島レモン」の傑作コラボ ポン酢にはないフレッシュ感が際立つ

 ゆるり屋が若者で賑わう渋谷道玄坂に鍋専門店として開業したのは、今から7年前。「当時、すき焼きや水炊き、ちゃんこなど昔からある鍋料理の専門店はありましたが、それ以外で“鍋専門店”をうたっている店はありませんでした」と語るのは、ゆるり屋を経営する際コーポレーション(株)広報の石川美保子氏。約30点でスタートしたメニュー数は毎年、数を増やし、今冬は77種類の鍋メニューを仕込んでいる。

 なかでもヒットを狙っているのが鯛レモン鍋。その原型は、同店の「鯛柚子鍋」にある。これは、同社の社長が、京都産の「水尾」というユズに一目ぼれして考案したユニークな鍋。つけだれにユズを添えるのはよくあるが、鯛柚子鍋では、ユズを鍋の具として使用する。「鍋にユズ」は珍しくなくても、具材として使うという着想は新鮮。何と言っても、熱々の鍋の中にユズが入っている意外性のインパクトがあり、色合いのバランスも、女性客ウケする美しさがある。もちろん味は、つけだれにユズがよく使われるくらいだから申し分ない。

 「鍋+ユズ」がいけるなら、同じ柑橘系のレモンでも応用できるのではという発想から生まれたのが鯛レモン鍋。そこには「瀬戸内 広島レモン」との出合いがあった。

 現在、国内で流通しているレモンの9割強が輸入物だが、輸入物は、輸送に時間がかかるために防カビ剤を使用しているものが多い。一方、食の安全への関心が高まるなか、国産レモンの生産量は年々伸び、消費量も増えている。なかでも広島県産レモンは、国内シェアの60%を占め、堂々の第1位。

 「瀬戸内 広島レモンなら、輪切りにして鍋に入れても、皮まで安心して食べられます。露地物の旬は秋から冬にかけてですが、年内は、皮が緑色のグリーンレモンが登場して、見た目も味わいもフレッシュ感があります」。

 鯛しゃぶ+レモンのコラボだけでも、お客さんを十分楽しませることができるが、料理の提供の仕方にもひと工夫を欠かさない。輪切りレモンとは別に、お客さんが自分で絞ったレモン汁を鍋に入れるプロセスにもちょっとした遊び心を演出。レモンサワーについてくるような絞り器を使うのでは味気ないと、レモンにトルネード型の切り込みを入れ、両端を押しながら回すとレモンが絞れる仕組みだ。「特に女性のお客さまはテーブルでのパフォーマンスを喜ばれますから」との狙い通り、顧客男女比は、女性:男性=6:4と女性が優勢。レモンのビタミンC効果をアピールすることで、ますます女性客のハートをつかみ、この冬の“大当たり鍋”への期待が高まる。

 ●店舗情報

 「ゆるり屋」 所在地=東京都渋谷区円山町5-18 道玄坂スクエアビル2F 電話03・6415・1598/開業=2005年9月/営業時間=月~木 午前11時半~午後2時半(LO午後2時)、6時~11時(LO10時)、金曜日の夜の営業は11時半まで(LO11時) 土・日・祝は夜の営業だけ 午後5時~11時(LO午後10時、無休/坪数・席数=約80坪・100席/客単価=昼980円、夜5000円/1日の平均来店客数=昼100人、夜150人

 ●愛用資材・食材:「瀬戸内 広島レモン」

 広島レモンPR事務局

 国内生産量1位。防カビ剤を使用していないので皮まで安心して食べられる。レモンの皮は果汁よりも栄養があり、ビタミンCは果汁の5倍、レモンポリフェノールは23倍も含まれる。高血圧予防、疲労回復、老化防止、疲労回復に効果があるといわれているクエン酸もたっぷり。秋冬に旬を向かえ、フレッシュでみずみずしい味が堪能できる。

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