惣菜弁当の殿堂(7)ロック・フィールド RF1「緑の30品目サラダ」 伝統野菜を取り入れ付加価値訴求

2013.03.04 408号 09面
「京野菜入り 緑の30品目サラダ」 

「京野菜入り 緑の30品目サラダ」 

1キットには下処理別の野菜、ナッツ、オイル、ドレッシング

1キットには下処理別の野菜、ナッツ、オイル、ドレッシング

 RF1 経営=(株)ロック・フィールド

 (株)ロック・フィールドが運営する「RF1」の「緑の30品目サラダ」は、02年のリニューアルを境に全7ブランドの中でも常にトップの売上げを誇っている。多品目サラダが多いなか、実際には35品目前後。数だけでなく時期によっては京野菜や加賀野菜などの伝統野菜を取り入れ付加価値を訴求する。100gの中に必ず30品目入る野菜のカット技法をはじめ、店頭での鮮度アピールなど趣向が凝らされた逸品である。そして、鮮度のよさは、野菜の下処理から24時間以内の全国配送にある。これらのこだわりが地域問わず大きな支持を獲得している。

 ●商品発祥 食生活指針をヒントに30品目

 核家族化、女性の社会進出という時代背景に、同社は日常惣菜へ目を向けるようになった。89年の神戸コロッケに続き、92年には健康志向を意識し、サラダに特化した同ブランドを立ち上げた。

 本品は93年、旧厚生省が発表した「食生活指針」による「1日30品目を目標」にならって作られ、当初はシーフードやソーセージなども入っていた。人気商品ではあったが、売れ行きの伸び悩みもあり01年に休止。翌年「野菜だけで30品目を」という開発者のこだわりが、試行錯誤のすえリニューアルを果たした。

 同社広報の弓野千恵さんは「実際は35品目前後になります。30品目以上集めるのは大変で、国内各地の契約農家の方々の協力が大きいです。旬の野菜のおいしさをバランスよく引き出した商品です」と話す。

 ●調理概要 繊維を立てて盛り付けるのがコツ

 サラダの内容は生野菜とボイル野菜、ナッツで構成されている。野菜の多くは国内各地の契約農家から、静岡ファクトリーに運ばれ下処理される。「100gの中に30品目入ることを計算したカットと量の調節は試行錯誤の連続でした」と弓野さんは開発者の苦心を語る。

 処理工程の異なった野菜を1キットとし各店舗に配送される。1キットをボウルに入れ、野菜を傷めないよう丁寧にまぜ合わせ、新鮮さを意識し一握ずつ、繊維を立てるように大皿に盛り付ける。商品に付属する自社製のドレッシングは和風ガーリックを基本に、季節によって選べるシステムとなっている。

 ●販売実績 ピーク時は年商20億円

 店舗や季節によっても異なるが平均50~60アイテムが店頭に並ぶ。その中でサラダ類は20~30アイテム。本品は100g/399円で年間売上げ15億円、全7ブランドの中でもトップを誇る。

 「07年には20億円を売上げるほどの不動の人気商品です」と弓野さん。

 ●ポイント アイキャッチで季節感と新鮮さを演出

 本品は夏野菜や冬野菜といった季節野菜、時期によっては京野菜や加賀野菜などの伝統野菜にも挑戦している。店頭での「~入り 緑の30品目サラダ」などとアイキャッチ効果も外せない。同じ商品でありながら時期によっては違う野菜が楽しめ、旬を味わうことができる。多品目サラダが多いなか、他店や家庭ではまねのできない逸品といえよう。

 また、野菜が届いた日に下処理をし、翌日には店頭に並ぶ。全国どの店舗においても24時間以内に同じ商品が納品される。鮮度にこだわった同ブランドの肝でもある。

 ●食材・資材の決め手

 使用食材 RFチリチリ&RFロゼ

 サラダを彩る変わり種レタス

 契約農家で栽培されている珍しいレタスの品種で、同社ではRFチリチリとRFロゼの愛称で呼んでいる。チリチリは葉先が軟らかくちぢれていて、茎のシャキシャキ感が特徴。ロゼは赤色の発色が鮮やか。シャキッとした歯触りで、苦味が少ない。本品にも定番で使われている主力野菜だ。

 ●店舗メモ

 店名=RF1/経営=(株)ロック・フィールド/本社所在地=神戸市東灘区魚崎浜町15番地2/事業内容=惣菜の製造及び販売。RF1(186店舗)、神戸コロッケ(52店舗)、いとはん(32店舗)、ベジテリア(33店舗)、融合(7店舗)、グリーン・グルメ(29店舗)、beOrganic(1店舗)のブランドを展開。(12年12月末現在)

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