メニュートレンド:幻のラーメンが期間限定で食べられる! 「鍋焼きラーメン」
「谷口食堂」は、高知県須崎市のご当地ラーメンとして知る人ぞ知る「鍋焼きラーメン」の発祥店。戦後まもなく開業し、鍋焼きラーメンを地元に広めたが、今から30年以上前、後継者不在のために惜しまれながら閉店。谷口食堂の元祖・鍋焼きラーメンの味を復活させたのが、須崎商工会議所を中心とした有志メンバーから成る「須崎名物『鍋焼きラーメン』プロジェクトX」。谷口食堂の関係者やかつての常連客の協力を得て、何度も試作と試食を繰り返して、幻のレシピを復活させた。10年以上前からそれに着目した新横浜ラーメン博物館では、谷口食堂の味を全国の人に知ってもらいたいとかねてから計画していたが、ついに今回4月までの期間限定で高知・須崎「谷口食堂」をオープン。元祖・鍋焼きラーメンの味が堪能できるまたとないチャンスだ。
●鍋焼きラーメンの元祖店がラーメン博物館で復活!
須崎名物『鍋焼きラーメン』プロジェクトXは、鍋焼きラーメンを地域活性化の起爆剤にしたいとの思いから2002年に結成された。これにより以前から鍋焼きラーメンの味を守ってき市内35店舗が活気づき、市外はもとより県外からも集客。年間約3億円の経済効果を生み出している。
谷口食堂で誕生した鍋焼きラーメンの特徴は何と言っても、その名の由来にもなった土鍋(またはホーロー鍋)で提供するというユニークなスタイルにある。「土鍋でラーメン?」と思うが、土鍋の保温性により火から下ろしたときの温度をほぼキープしたままテーブルに届けられる。蓋を開けた時、まだグツグツと煮えているほどの熱々状態だ。
具は親鶏の肉、ネギ、竹輪、生卵と、これもまたラーメンにしてはかなりユニーク。スープは親鶏の鶏がらを使用する。親鶏の方が深みのあるだしが出ることと、濃厚な鶏脂がスープの表面を覆い、温度の低下を防ぐ効果がある。コリコリとした、かみ応えのある食感も親鶏ならではだ。
メンマではなく竹輪というのも独創的。須崎港で捕れる魚をすり身にした竹輪が安価で入手できたことが、そもそもの始まりという。戦後間もない、食材が手に入りにくい時代に、谷口店主が身近な食材で、いかにしてうまいラーメンを作るかを工夫した表れだ。
生卵もそのひとつで、鍋焼きだからこそ生卵が生きてくる。土鍋だとスープの温度が冷めにくいので、時間の経過に従って生から半熟へと火の通りが進み、どのタイミングで卵を崩すかで味に違いが出るという楽しさがある。王道はスープを数口味わってから卵を崩す食べ方。卵がスープと麺に絡みマイルドな味わいになる。食べ進むにつれて、卵に火が通っていくのも一興だ。最初に卵を麺の中に沈めるという手もある。土鍋の保温性で最後には温卵が出来上がる。あるいはレンゲで生卵をすくって土鍋の蓋に移し、麺を付けてすき焼き風に食べるというのもお薦めだ。
鍋焼きラーメンになくてはならないのが、白飯とたくあんの古漬け。土鍋の上に白飯を盛った茶わんをのせて提供される。締めに残ったスープに白飯を浸して食べると実にうまい。たくあんは酸味のある古漬けが、鶏がらスープとの相性がいい。
須崎市の有志が総力を結集して復活させた、高知・須崎「谷口食堂」の元祖・鍋焼きラーメンの味をこの機会を逃さず、ぜひともご堪能あれ。
●店舗情報
「谷口食堂」 所在地=神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21、電話045・471・0503/開業=2013年4月7日まで/営業時間=午前10時~午後11時(日によって変動あり)、無休/坪数・席数=約12.6坪(厨房含む)・23席/客単価=昼700円 夜700円/1日平均来客数=昼平日200人、休日300人、夜平日100人、休日200人
●愛用資材・食材
「マルキョー醤油 濃口醤油「小櫻」」 丸共味噌醤油醸造場(高知県須崎市中町)
・鍋焼きラーメンに欠かせない醤油
コクがあり、味わい深い甘口醤油。うま味、甘味、酸味、塩味のバランスがよく、ほんのりとした甘味があるのが特徴。鍋焼きラーメンのスープは親鶏の鶏がらでだしをとった醤油ベースだが、大半の店でこの醤油を使用している。ラーメンに限らず、スープの味付けに最適と評価が高い。













