メニュートレンド:ビストロ料理で馬肉革命! 「御徒町酒場 馬バル BAKUROU」

2013.10.07 415号 02面
手前の馬肉のヒレ肉サイコロステーキはラタトゥイユとキャロットラペを添える。奥の馬肉の田舎風パテも野菜をたっぷり添えて彩りと栄養バランスに配慮

手前の馬肉のヒレ肉サイコロステーキはラタトゥイユとキャロットラペを添える。奥の馬肉の田舎風パテも野菜をたっぷり添えて彩りと栄養バランスに配慮

JR御徒町駅の繁華街を抜けたオフィス街の一角。酒販店直営のためワインは小売価格+980円と格安。日本酒も希少銘柄を揃える。

JR御徒町駅の繁華街を抜けたオフィス街の一角。酒販店直営のためワインは小売価格+980円と格安。日本酒も希少銘柄を揃える。

 馬肉に注目が集まっている。生食が許される希少な肉食材として多くの焼肉店チェーンが取り扱いをはじめるなどしており、一部の専門店が扱う高級料理のイメージから、安全でヘルシーな肉として普及しつつある。馬肉には、馬刺しや桜鍋など提供方法が和食に限定される印象があるが、そんな常識をくつがえした馬肉のビストロ料理で人気なのが「御徒町酒場 馬バル BAKUROU」だ。

 ●ワインと合わせて女性客に人気

 「馬肉は高タンパク低カロリーで、鉄分が豊富なヘルシー食材だが、提供する店や調理法が限られていたため、なかなか普及しない。そこで近年流行のワインと組み合わせて、若い世代や女性など新しい客層に食べてもらおうと考えた店が当店です」と店長兼料理長の関根俊春さん。今では30代の女性客が7~8割を占める連日満席の人気店である。

 「馬肉のヒレ肉サイコロステーキ」は、高温に熱したフライパンに、ひと口サイズに切り分けた馬肉を入れ、表面に焼き色が付いたら完成。焼成時間はわずか1~2分で、あまりの早さに驚かされる。「馬肉は熱を入れすぎると硬くなってぼそぼそとした食感になってしまう。だから中まで熱が通る程度の激レアで仕上げた方がおいしいのです」と関根さんはスピード調理の理由を語る。食べてみると、とても軟らかく、かんたんにかみきれる。うま味も濃厚で肉汁のジューシーさも堪能できる。冷えても軟らかさを保っておいしい点も特筆すべきだろう。

 ステーキに限らず、馬肉を調理するにあたって、最も注意が必要なのが火加減である。「馬肉の田舎風パテ」も同様だ。「型に入れ140度Cの低温で1時間半かけてじっくりと熱を入れていきます」と関根さん。赤身の馬すね肉のミンチに脂身のタテガミを合わせることで、食べ応えと口溶け感のある味わいに仕上げた。同商品も低温調理ゆえのレア感が特徴の味わいだ。

 その他の馬肉メニューは、部位ごとに楽しめる馬刺し6品を柱に、馬肉のハンバーグ、馬すね肉のシチューなどバリエーションも豊富。「高級レストランで食べるような、仕込みに手間をかけた料理を馬肉でつくり、馬肉の奥深さを多くの人に伝えたい」と関根さんは今後の意気込みを語る。

 ●店舗情報

 「御徒町酒場 馬バル BAKUROU」 経営=サクシード/店舗所在地=東京都台東区東上野 1-15-1 1F、電話03・3834・3110/開業=2011年5月/営業時間=午後6時~11時29分、月曜・祝日休/坪数・席数=10坪・24席/客単価=4000円

 ●愛用資材・食材

 「プラネタ エクストラ・ヴァージン・オリーブオイル」

 日欧商事(東京都港区芝)

 同商品は関根氏がイタリア料理店での修業時代に出合うったもの。「馬肉独特の強い風味を抑えて、脂質をすっきりさせる」と、馬肉のカルパッチョ料理である「名物!カル馬ッチョ」などに使用する。同商品はイタリア・シチリア島が産地。通常より2週間ほど早く収穫したオリーブの実を、畑に隣接する工場で新鮮なまま伝統的なコールドプレス製法で製造する。フレッシュでハーブや柑橘系の豊かな香りが特徴だ。

 規格=458g(常温)

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