料理人推奨食材:神楽坂くろす・黒須浩之店主 ヤマサ醤油「ヤマサ重ね仕込しょうゆ本懐石」

2013.11.04 416号 13面
 うま味の目安となる窒素分が一般的な醤油より20%多い超特選醤油。3種類の麹を使う「重ね仕込:追い麹製法」(特許取得済)によって、やわらかな香りと明るく澄んだ色、強い甘味、濃厚なうま味を引き出している

 うま味の目安となる窒素分が一般的な醤油より20%多い超特選醤油。3種類の麹を使う「重ね仕込:追い麹製法」(特許取得済)によって、やわらかな香りと明るく澄んだ色、強い甘味、濃厚なうま味を引き出している

黒須浩之店主

黒須浩之店主

 ●醤油の完成形、料理の進化促す

 東京・神楽坂で趣のある石畳の兵庫横丁を進むと、日本家屋の黒塀が目を引く和食店「神楽坂くろす」に行き着く。周辺は日本料理の名店が揃うが、「くろす」も連日多くの予約客でにぎわう盛況ぶり。改装した古民家で供される料理は、端的においしいものを出す割烹と、季節や彩りを演出する和食を融合。1品ごとにさまざまな趣向を凝らす店主はザ・リッツ・カールトン東京の和食統括料理長を務めてきた黒須浩之氏。同ホテル店舗に3年連続で「ミシュランガイド」一つ星を導くなど、世界の食通を魅了してきた黒須氏に、ヤマサ最高峰の醤油である「重ね仕込しょうゆ本懐石」を評してもらった。

 「本懐石」は豊かなうま味、素材を生かす色と香りを実現した濃口醤油。大豆、小麦、塩という原料、6ヵ月という製造期間は従来のままに、これまで不可能とされてきた味、色、香りの高レベルでの両立を果たしている。

 黒須氏は「本懐石」の味の深みを評価。完成された醤油だけに、醤油に対するこれまでの観念を変えるべきと指摘する。刺身醤油は一般に、鰹節を入れて味に丸みを持たせた土佐醤油を用いるが、「本懐石」だとそのままで十分。調和のとれた味と香りによって、淡泊な白身、濃厚な赤身のうま味を互いに引き立ててくれる。

 「本懐石」ならワサビなど薬味との相性も抜群。黒須氏は、脂ののった刺身には大根おろしを用いることを提案。脂で醤油がはじかれることを防ぎ、「本懐石」の濃厚なうま味が強い脂を受け止めて、素材本来の味わいが楽しめる。

 完成された食材は、そのままで味わってもらうのが一番。料理人だからといって何でも一手間を加えるのでなく、素材を見極めることが重要だと黒須氏は強調する。調味料も同様。「本懐石」を使った煮炊き料理なら、日本酒で醤油の臭いを抑えるといった従来の工程は必要ない。みりんや砂糖など、加える調味料を減らして「本懐石」の味わい、食材との絶妙なバランスを引き出すような調理が最適だ。料理の進化も促す「本懐石」は研究・開発に10年以上の歳月をかけたヤマサの自信作。今後もさまざまな料理人の創作意欲をかき立ててくれそうだ。

 ●プロフィール 「神楽坂くろす」黒須浩之店主

 くろす・ひろゆき=「神楽坂くろす」店主。1964年新潟県出身。割烹やホテルでの修業を経て96年、ホテル小田急(現ハイアットリージェンシー東京)に入社。2005年に和食料理長として「佳香」などの料理長を歴任した。07年からザ・リッツ・カールトン東京の和食統括料理長に就き、08~10年には会席料理「ひのきざか」が「ミシュランガイド東京」一つ星を獲得。12年1月に「神楽坂くろす」を開店し、同年12月からザ・ウィンザーホテル洞爺の和食店「杜氏賛歌」も運営。同店の顧問を務めている。

 「神楽坂くろす」 東京都新宿区津久戸町4-11

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