業務用加工食品ヒット賞 中華部門:エバラ食品工業「『e-Basic』シリーズ」
◆シンプル・簡便・低コスト
「e-Basic」(イーベーシック)は、“シンプル設計・簡易オペレーション・低コスト”を売り物に、焼肉のたれ、ラーメンスープなど9アイテムを取り揃えたエバラ食品工業の業務用調味料シリーズ。「これだけで味が決まる」と「アレンジの余地を残す」という相反する課題を両立させ、幅広いユーザー層から好評を得ている。一方、アジア市場でも感触が良いことから、グローバル化を目指す同社の長期戦略製品に抜擢されている。
製品化は2011年4月。事業所給食に向け「ラーメンスープ〈醤油〉〈塩〉」(500ml、1.8L)を発売したところ、「完成度の高い調味設計」「簡便かつ低コスト」「アレンジしやすい」というバランスの良さが人気を呼び、加えて小容量500mlの使いやすさが小規模ユーザーから支持され、シリーズ化が加速した。現在、「ラーメンスープ〈醤油〉〈塩〉〈豚骨〉〈味噌〉」「たれ〈焼肉〉〈生姜焼〉〈やきとり〉〈塩〉〈丼〉」 の9アイテムで展開している。
中でも「たれ」の調味設計に注力した。既存の業務用たれ製品は、約45年前に発売した家庭用製品をベースに開発されたものが多く、塩(醤油)角の立った、いわゆる東日本志向の調味が多かった。
これを西日本志向にも合う「塩角を抑えた“旨甘味”」に修正。そして調理師が好みで味を調整できるよう、既存類似製品に比べ塩分を約25%引き下げた。そのライトな味覚が近年の潮流にマッチ。全国的に受け入れられる成功要因となった。
また、「塩だれ」以外の4品は、うま味調味料を無添加にしたことで、学校給食の栄養士から好評を得た。
栗橋秀直・業務用営業企画室副室長は「いずれの製品も足し算ではなく引き算の発想で磨き上げた」と明かし、「単品で活用すれば万人向けの味を手軽に提供でき、独自性を演出する場合は3割ほど追加調味の余地が残っている感覚。そのバランスの良さが決め手」と説く。
国内の成功をもとに、昨年から海外事業所を拠点にアジア向けにも販売を開始。日本食ブームを追い風に上々の引き合いを得ている。グローバル化を目指す同社の試金石として注目されるところだ。
◆規格=各種500ml、1.8L(常温)※焼肉、生姜焼、やきとりは1.8Lのみ
●豚焼肉定食
作り方
(1)豚ロース肉はひと口大に、玉ねぎは1~2cm幅に切る。
(2)フライパンに油を熱し、豚ロース肉を炒め、玉ねぎを加えて炒め合わせる。
(3)「エバラ e-Basic 焼肉のたれ」で味付けする。
●豚肉とキャベツの塩だれ炒め
作り方
(1)豚ばら肉はひと口大に切り、「エバラ e-Basic 塩だれ」で下味を付け、約10分おく。
(2)野菜は食べやすい大きさに切る。
(3)フライパンに油を熱し、豚肉を炒め、野菜を加えて炒め合わせる。
(4)仕上げに「エバラ e-Basic 塩だれ」で味付けする。
●豚肉の生姜焼
作り方
(1)豚ロース肉は、「エバラ e-Basic 生姜焼のたれ」で下味を付け、約10分おく。
(2)フライパンにサラダ油を熱し、汁気を切った(1)を焼く。
●かつ丼
作り方
(1)丼鍋に「エバラ e-Basic 丼のたれ」と水を入れ、玉ねぎ、ひと口大に切った豚かつを煮る。
(2)(1)の玉ねぎがしんなりしたら、溶き卵を流し入れ、三ツ葉を散らし、蓋を閉め、火を止める。
(3)ごはんを盛り、(2)をのせる。