メニュートレンド:コンニャク&油揚げがワインに合う 和の食材をビストロ料理に活用

2014.12.01 429号 02面
「コンニャクと胡桃のゴルゴンゾーラ」(手前)と「小野食品の油揚げピザ」(奥)。コンニャクも油揚げも、最初にフライパンで香ばしく焼き上げて、風味と食感を出すのがコツ

「コンニャクと胡桃のゴルゴンゾーラ」(手前)と「小野食品の油揚げピザ」(奥)。コンニャクも油揚げも、最初にフライパンで香ばしく焼き上げて、風味と食感を出すのがコツ

ガラス張りの店内は昼は日差しが心地よく注ぎ、夜は客が集う賑わいが通りに広がる。渋谷・道玄坂上から井の頭線「神泉」駅へと向かう、個性的な飲食店が建ち並ぶ一角に立地

ガラス張りの店内は昼は日差しが心地よく注ぎ、夜は客が集う賑わいが通りに広がる。渋谷・道玄坂上から井の頭線「神泉」駅へと向かう、個性的な飲食店が建ち並ぶ一角に立地

 東京・神泉の「カフェブリュ」は、朝と昼はスペシャルティコーヒーを柱にカフェメニューを、夜は国産ワインを柱にしっかりしたビストロ料理を提供する、使い勝手のよいカフェである。店を切り盛りする女将の岩倉久恵氏は、都内にビストロやバルを展開して、早い時期から国産ワインを提案し続けてきたパイオニア。その取り組みは、日本ならではの食材にも広がり、和の食材を使ったユニークなビストロ料理を開発して、生産者を応援している。

 ●日本のこだわり生産者を料理で発信

 「夜は国産ワインを柱にしてビストロ料理を提供していますので、日本ならではの食材を使ってワインに合うつまみメニューを入れたかった」と女将。

 「コンニャクと胡桃のゴルゴンゾーラ」は、長野県・泰阜村のコンニャクが気に入り、これをワインに合う料理にしたいと考案。生産者はコンニャク芋の栽培から製造まで一貫して手がけており、風味も食感も独特。このコンニャクをソテーして表面を焦がすことで香ばしさと食感を付け、醤油を隠し味に使ったゴルゴンゾーラのソースとあえる。その味わいから、煮込んだ牛すじやリードボーを連想する客もいるほど。

 「小野食品の油揚げピザ」は、埼玉・川越に店を構える豆腐店「小野食品」の豆腐に出合ったことから生まれたメニュー。厳選された国産大豆と地下100mから掘り起こした清澄な井戸水で作られる豆腐を、太白胡麻油のみで揚げた油揚げは大豆と油の甘さと香ばしさが満点。これをまず、フライパンでカリカリに焼いた後、オリジナルの辛味噌を塗り、極薄くスライスした玉ネギとチーズをたっぷりのせてオーブンで焼き上げる。サクッと歯触りのよい軽い食感で、スナック感覚でつまめる。辛味噌独特の麹の風味と後味に残るほのかな辛味がクセになる。果実味が濃厚で発酵感のある赤ワインと相性がよい。

 この他、京都の半兵衛麩の生麩を使った「生麩の素揚げ」など、個性ある生産者による日本食材を使用。また、チーズは長野清水牧場、サラミは埼玉県のセラーノ工房と岐阜県のキュルノンチュエと、ビストロ定番の加工食材でもこだわり生産者の国産品をチョイスしている。

 「コンニャクも油揚げも、生産者との出会いありき。こだわりある生産者の食材を魅力あるメニューにすることで、多くの人に発信していきたい」と女将は国産食材活用の狙いを語る。

 また、冬季は鍋メニューを投入するなど、自由度の高いフードメニューでワインとのマリアージュを提案していく考えだ。

 ●店舗情報

 「カフェブリュ」 経営=東美/所在地=東京都渋谷区円山町23-9 平井ビル1階/開業=2012年6月25日/営業時間=午前10時~深夜0時(LO 午後11時)、土・日のみ正午~ 無休/坪数・席数=17坪・32席/客単価=昼980円、夜4000円/1日平均客数=130人

 ●愛用資材・食材

 「唐辛」 こうじ屋田中商店(長野県飯田市高羽町)

 ピリ辛な後味を演出

 「小野食品の油揚げピザ」は、チーズのうま味とピリ辛な後味が特徴だが、その辛味の素となっているのが同品。原料は麹と唐辛子と醤油のみ。製造元の「こうじ屋田中商店」は麹の専門店だが、同品の原材料である唐辛子の栽培から、醤油の醸造まで自家製するこだわりよう。丸みのある辛さで、入れるだけで料理の味に深みが出る。「パスタソースやスープなどの隠し味にもよく使っています」と女将。ラー油や七味唐辛子と同様に、薬味としても活躍する。

 規格=100g(常温)

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