メニュートレンド:「鮮魚ラーメン」新時代到来 銀ダラはまるで魚の豚骨
生の魚介から濃厚なスープをとった「鮮魚ラーメン」が、ラーメン業界をにわかににぎわせている。その材料となっているのは、タイ、ウニ、伊勢エビなど、超高級食材が並ぶことにも驚く。シーンの筆頭を担うのが、「らーめん銀だら搾り」を提供する五ノ神水産。その実力は、単なる流行では終わりそうにない確かな味で、今後その注目度はますます高まりそうだ。
●スープの味が焼き魚そのもの
「創業者の伊藤真啓が築地市場の仲卸で働きながらラーメン店で修業をしていたとき、銀ダラからとったスープには豚骨スープと同じ要素が揃っていることを発見。ようやく銀ダラの仕入れルートが確保できたことで、出店できたのです」と五ノ神製作所の荻野仁志取締役は説明する。
銀ダラは三枚におろした中骨の部分を使用。一度に仕込む量は90kg。最初は弱火で1時間かけてゆっくりと沸騰させ、分離した脂分をきれいにすくいとった後、強火で2~4時間かけて煮詰めていく。最終的に出来上がるスープの量は70~75kgに濃縮されたもので、そこに1割程度の動物系スープを加えてコクととろみを足している。「ラーメン1杯当たり、銀ダラの切身が3~4切れ入っている計算です」と荻野取締役は胸を張る。
スープをひと口飲むと、その味は焼き魚そのもの。最初に焼き目の香ばしい香りが来て、後から脂乗りの良い魚のうま味が口の中に満ちていく。魚特有の生臭さはほとんど感じられない。銀ダラの身をそのまま溶かし込んでいるにもかかわらず、舌触りは滑らかでクリーミーだ。スープ作りの最初にすくいとった銀ダラの脂分を香味油として仕上げに使用しており、うま味もコクも濃厚だ。
銀だら搾りは、ラーメンとつけ麺の2種類で提供。ラーメンは塩味、つけ麺は醤油味に仕上げている。
同店では銀だら搾りと同様の製法でスープをとる「焼き鮭搾り」と、ラーメン1杯当たり板ウニ1枚分を使用した「雲丹搾り」をベースにした季節限定商品も提供。さらには、スープ売り切れじまいの限定ラーメンを原価度外視の価格で提供している。限定ラーメンは、カキやホタテ、ブリなど旬の魚介で季節感を演出する。
同社は鮮魚ラーメンをコンセプトに都内に4店を展開。青梅店はタイ、新宿店は甘エビ、大久保店はオマールエビと伊勢エビと、各店異なる魚介をベースとしている。「魚介の種類は数限りない。今までになかった鮮魚ラーメンにどんどんチャレンジしていきたい」と荻野取締役は意気込む。
●店舗情報
五ノ神水産 経営=五ノ神製作所/店舗所在地=東京都千代田区神田多町2-9-6 田中ビル別館1階/開業=2013年12月18日/営業時間=午前11時~午後3時、5時半~10時半、土曜・祝日は~午後9時(スープがなくなり次第終了)、日曜定休/坪数・席数=15坪・18席/客単価=930円/1日平均客数=約200人
●愛用資材・食材
「スーパーケトルKSK-212G」 北沢産業(東京都渋谷区東)
高い熱効率を実現
五ノ神製作所は、自社製麺所を設けて全店分の麺を自家製する。麺はシンプルなストレート麺で、ラーメンは中細麺、つけ麺は全粒粉入り太麺など数種類を用意。ゆで麺機は噴流式を採用したものでカゴ数は12。底部が凹凸構造になっているため、バーナーの熱を平面底の3倍以上の面積で受けることができ、高い熱効率性を実現している。
規格=W900×D650×H800(mm)、90kg













