新店ウォッチング:「ワンズバーガー」品揃えは大人向け
「マクドナルドを卒業した人たちのためのハンバーガー店」というコンセプトで、首都圏を中心に「フレッシュネスバーガー」を約一〇〇店舗展開するフレッシュネスバーガー社が、昨年の暮に本社近くの東京・渋谷区千駄ヶ谷に新業態「ワンズバーガー」を出店した。
同店は、これまでのFFS業態とは異なるテーブルサービス形式の新業態で、四つのボックス席とカウンターからなる小さな店舗ではあるが、従業員が客席で注文を取り、出来上がった商品をテーブルへ持って来てくれるというフルサービスのスタイルを取っている。
店舗は、小さな交差点の角にあるビルの一階に位置しているが、これまでのフレッシュネスバーガーの店舗とは完全に異なった、金属素材を多用した米国「ダイナー」風の店づくりとなっており、ステンレス製のしゃれたデザインの入口扉の上部には、テーマカラーであるイエローの照明入り店名サインが掲げられ、繁華街立地ではないだけに、あたりが暗くなってからは一際目立つ存在である。
店内もまた、金属質のシルバーと白を基調とした清潔感あふれる内装で、カウンターの丸いすなどにも店名サインと同様のクロームイエローが用いられ、アクセントになっている。カウンターの立ち上がりに使われているガラスブロックや、光沢のあるビニールで覆われたベンチシートなどは、いかにもアメリカらしいデザインで独特の雰囲気を醸し出し、まるで映画の中のワンシーンのようだ。
入口のわき、キャッシャーの向かいにはラブチェアほどの大きさのソファがあり、テークアウト客は、商品が出来上がるまで、このソファで待つことができる。
商品は、一一三gのパテを使用したハンバーガー(七〇〇円)、チーズバーガー(八〇〇円)、フレンチフライ(三〇〇円)、お代わり自由なコーヒー(三〇〇円)といったバーガー店としての定番商品のほか、スパイシーなフリフリチキン(八〇〇円)、シーザーサラダ(三五〇円)、バドワイザービール(四五〇円)など、大人向けの軽食レストランとしての品ぞろえを充実させている。
また、メニューリーフレットにも写真入りで紹介されているように、同店の売り物は、こういった単品商品を一皿に盛り合わせた「コンボ」と呼ばれる商品である。
例えばハンバーガーコンボ(八〇〇円)は、ハンバーガーにフレンチフライとドリンクがセットになっており、ランチなど、ちょっとした食事としては十分に満足できる価格と内容で、出店立地によっては、ハンバーガー店というより、カジュアルなレストランとしての利用が多くなることだろう。
同社では、今後、このワンズバーガー業態を大型のショッピングモールなどを中心に出店し、二~三年をめどに一〇〇店舗の体制をつくり上げる計画であるという。
◆取材者の視点
同店は、フレッシュネスバーガー社の本社があるエリアに位置しているが、ここは同時に、あの「スターバックスコーヒー」を展開するサザビーグループの本拠地でもある。実際、道路を挟んで同店の向かいにはサザビー社の社屋があり、その建物の一階、同店とは十数m程度の至近距離にスターバックス店が出店している。
新聞発表を読む限りでは、この「ワンズバーガー」は全くの新業態であるかのようだが、実は、実験店的な位置づけで同じ名前の店舗が東京・文京区の向丘にある。
ただし、この「向丘店」は、千駄ヶ谷の店とはまるでスタイルが異なり、古い日本家屋を改造して手書きの看板を掲げたような、とてもチェーンの実験店とは想像できない素朴なスタイルの店舗であり、制服も着ていないドレッドヘアの若者がラフなスタイルで営業している。
客の多くも、おそらくフレッシュネスバーガーの店舗とは知らずに利用しているはずだ。
千駄ヶ谷の店は、打って変わって清潔感のあふれる雰囲気があり、キャップをかぶった制服もりりしい従業員がピカピカの店内で立ち働いているが、ベンチシートのボックスが四卓とカウンター席だけという店舗の規模は、営業的にはかなり厳しいのではないだろうか。
実際、筆者が臨店したときも、四つのボックスのうち、三卓は一人客で占められ、残りの一つも二人組の客で、すでに空いている席はカウンターだけであった。
テークアウト需要が見込めるとはいえ、ランチなどピーク時の機会ロスは大きいだろう。また、テーブルサービス形式にとまどっているような従業員の雰囲気も少し気になった。
◆「ワンズバーガー」/会社名=フレッシュネスバーガー/所在地=東京都渋谷区千駄ヶ谷二‐二八‐四、03・5772・6760/開業=一九九九年11月/店舗面積=五六平方メートル/客席数=約二〇席/営業時間=午前8時~午前2時












