名古屋版・焼き肉繁盛店探訪:「シズラー新天地店」

2001.03.19 224号 21面

広島名物といえばなんといっても「広島風お好み焼き」が有名だが、「広島=お好み焼き」と連想するように、広島の人々に愛されている焼き肉店がある。「シズラー新天地店」は、広島市下に多数展開する広越グループが一九七二年にオープンした老舗級の焼き肉店だ。

茶色を基調とした落ち着いた雰囲気の店内は三〇〇坪・一二八席を誇り、高級レストランの風格を漂わせている。各テーブルには、テーブルを覆いかぶせる集煙カバーが設置されている。今や焼き肉店で主流となりつつある無煙ロースターを使用しないのは、肉のうまみを最大限に引き出すために有煙にこだわっているのだという。

「当店の自慢は肉、野菜、ビールのそれぞれにあります」と、宴会準備に忙しいという佐々木保和料理長に時間をいただいてお聞きした。

「まず肉ですが、佐賀和牛をはじめ厳選した和牛を使用しています。佐賀はコメどころとしても有名なのですが、和牛の産地としても有名です。飼料に国産のわらを与えているので安心して食べていただけます」と、出していただいたロース肉は、脂がのっていて軟らかそうだ。たれに関しては、「ばらつきのない味を守る」ために、自家製醤油だれにこだわっている。

一方、「カルゲン野菜」は、店の野菜を語る上で忘れてはならない。「カルゲン」とは、カルシウムとイオウが結びついた硫酸カルシウムを主体に作られた特殊肥料を指す。この肥料を使った「カルゲン野菜」は、普通の野菜と比べると余分な酸味、アク、渋み、苦み、青臭さがないという。

生ビールは、「きめの細かい泡にこだわっています」とクールドラフトシステムを導入し、サーバーは毎日丁寧に洗浄し、さらにジョッキはひとつひとつ手洗いするという徹底ぶり。ガス圧を利用しておいしいビールを提供するクールドラフトシステムは、中国・四国地方ではこちらの店だけに導入されている。

客層は、平日はサラリーマンや主婦層が多く、休日はファミリーや年配者の姿もみられ、「最初はファミリーをターゲットにしていたのですが、今では客層を絞り込むのが難しいほど、幅が広くなりました」と佐々木店長は顔をほころばせた。

◆売れ筋メニュー

1位/カルビ(一〇〇〇円)

2位/ロース(一〇〇〇円)

3位/石焼ビビンバ(一〇〇〇円)

◆愛用食材 カルゲン味噌

「愛用食材は、やはりあれかな」、と佐々木料理長が厨房の中から持ってきた大きなたるの中を見せてもらうと、味噌特有のすっぱい香りが鼻をついた。「野菜同様味噌もカルゲン味噌を使っています」

「カルゲン味噌」はこの店のために九州のおばあさんに作ってもらっている「特注品」で、主原料に大豆を使った豆味噌だ。「当店ではカルゲン野菜にぬって召し上がっていただいてます。ナスの田楽にすると本当においしいですよ」と佐々木料理長。

現在醤油だれ中心の店だが、このカルゲン味噌を使った味噌だれも研究中とのことなので、シズラーファンには待ち遠しい。

◆「シズラー新天地店」(広島県広島市中区新天地1‐4、帝劇会館B1F、082・244・5333)営業時間=平日午前11時半~午後3時、5時~11時。土曜・日曜・祝日午前11時半~午後11時。年中無休

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