厨房のウラ側チェック(59)以外に汚い飲み物
飲食店で取り扱っている飲み物を細菌検査した時、小生は検査結果をみて驚いた。それは想像以上に汚かったからである。では、なぜ汚いのか、原因を探ってみた。
例えば、「生ビール」はディスペンサの掃除をしていないこと、営業後炭酸ガス抜きやディスペンスヘッドを閉じないためである。「サワー類」も生ビール同様の問題である。「煮出しのウーロン茶とむぎ茶など」は煮出し直後の状態はきれいなのだが、その後の容器や保存温度に問題がある。特に、容器として使用しているのはPETボトルが多く、そのPETボトルを洗浄しなかったり、軽いすすぎ程度ですませている。また、保存温度にも無頓着な店舗は室温放置であった。
次に「アイスコーヒー」は抽出後のコーヒーをアイスにしてくれる店舗は良いが、アイスとして保存している店舗では、前出のウーロン茶などと同様の理由で汚い場合が多い。アイスコーヒーの汚染菌も酵母が主体で、若干細菌を検出する。
最後に、水関係の道具である浄水器や電気分解式アルカリイオン生水器などは、メンテナンスを実行しないとうまい水ではあるが不衛生な水にもなるので注意を要する。特に一般家庭の主婦や店舗の厨房業務の新人などは機械を設置すると、何でもその機械がやってくれるものと錯覚する。機械はメンテナンスを実施して正常に動くものであることを認識することが肝要。そして、一度汚い状態にするとすべての経路が汚染され、なかなか衛生的にはならない。ぜひ、安心できる会社で衛生検査を受けてチェックしてほしい。
以上、飲み物が汚くなった原因を踏まえて、原因を取り除き、そして、何をなすべきかを実行することである。原因の一つである飲み物を供給するディスペンサーは、分解できるところまで分解し、よく洗浄殺菌することを毎回使用後実施する。ただし、瞬間冷却するものは、長いホースがあり、一度汚れるとなかなかきれいにはならないのが問題である。メーカーと相談して殺菌してほしい。しかし、一部のメーカーはPL法対策ができていないので気を付けることである。
他の原因である容器は中性洗剤で洗浄し、次亜塩素酸ソーダなどで殺菌し、よくすすいでから使用してほしい。コーヒーやウーロン茶などは、抽出日あるいは煮出し日のみ使用すれば味などが良いことも覚えて、実行してほしい。
食品衛生コンサルタント
藤 洋