カレーお店紹介 抜群に高い回転率、カレーステーション
JR東日本が駅構内に展開している「カレーステーション」は現在東京管内で一三店。昭和60年からスタートして、駅のコンコースや改札脇などのスペースの有効活用という形で設置している。駅構内ということもあり、一〇席から二〇席の小規模な店舗がメーンだ。最も大きなところは上野駅の中二階乗り換えコンコースにある「カレーステーション」で、席数は三四。東京駅は八重洲京葉通路入口にあり、昼時には行列ができる。山手線にはこのほか秋葉原、渋谷、代々木の各駅にあり、駅を利用するサラリーマンや学生の姿が目につく。
「利用客の利便性とスピード」がカレーステーションのコンセプトである。通勤途中、移動の合間に駅構内ですぐに食べられるというのが最大の利点だ。客の回転率も坪効率も抜群に高い。東京駅のカレーステーションでは七分五〇秒で一回転という調査結果がある。
JR東日本ではカレーステーションのアイテムとして二〇アイテムを開発しているが、各店では立地や商圏に併せて六、七アイテムのメニューを用意している。「味は甘からず、辛からず」標準的な設定だが、サラリーマンの多い場所はやや辛めのアイテムを増やしたり、メニューにも工夫が見られる。価格は四〇〇円から一〇〇〇円まで、平均価格帯は五〇〇円。ビーフカレー、カツカレーといったベーシックアイテムが売れ筋の中心だ。
東京駅のカレーステーションでは店長おすすめの「野菜カレー」(七〇〇円)が売れ筋の一つ。野菜が豊富でボリュームたっぷり、味はマイルド。駅のカレーもおいしくなったと実感させられる一品だ。
同社ではエスビー食品と提携してカレーステーションを展開しているが、PB商品の開発も今年の課題となっている。
JR東日本の東京管内には現在三〇〇ほどのショップがあり、うどん・そば店と並んでカレーステーションを主力の一つに育てようとしている。駅構内という有利な場所の半面、駅本来の機能を阻害しないショップの確保は案外難しい。駅の構造や利用客の流れ、ピーク時対策、安全面での配慮も大事な課題である。同社では利用客や商圏に合わせてスクラップ&ビルドを進めながら「カレーステーション」の展開を目指している。
▽「カレーステーション」=東京都千代田区丸の内、Tel03・3216・2908