「’92レジャー白書」に見る日本人の余暇の現状と動向(4)

1992.07.20 8号 21面

将来の余暇活動として希望率の高いもの二〇種目を選び出した結果が別表である。全体的に旅行や日帰り行楽など観光、行楽部門の余暇活動と、都市型のレジャーが上位にあがっている。人々の多くは、休日には旅行や行楽に行くことを好み、日常的には「外食」や「カラオケ」などのレジャーを気楽に楽しんでいることがわかる。

第一位は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」で七三・七%。以下「ドライブ」(五四・七%)。「外食(日常的なものを除く)」(五二・九%)となっている。第三位までは現在の参加率も高く、男性、女性ともに大きな支持を得ている。

性別でみてみると男性に支持率の多いのは「スポーツ観戦」(三七・五%)、「ゴルフ(コース)」(三五・六%)、「釣り」(三〇・八%)、「ゴルフ(練習場)」(二八・九%)といったスポーツに関するもの。女性に支持が多いのは、「編物、織物、手芸」(三九・七%)や「洋裁・和裁」(二八・一%)など女性ならではの活動種目の他に「音楽会・コンサートなど」(三四・四%)といった鑑賞レジャーである。

これからの伸びが期待される余暇活動を、潜在需要の大きさという点からみると旅行、非日常的空間型スポーツ、そして鑑賞レジャーの潜在需要が大きい。

第一位は性別、年代を問わず「海外旅行」で断然高い。海外旅行者数は年々伸びているとはいえ、やはり現状ではなかなか時間が取れず、もしまとまった休みや時間が取れればいってみたいと思っている人は、まだまだ多い。次いで「国内旅行」「オートキャンプ」となっている。

スポーツでは、「ゴルフ(コース)」「スキー」「登山」など、人々は海、山など日常空間における余暇活動に興味を持っている。労働時間が短縮し、完全週休二日制が進むにつれて、人々は今後ともこれらのまとまった時間を必要とするレジャーに積極的に参加していくものとみられている。

これを性別にみると、男性はマリンスポーツやニュースポーツへの潜在需要が大きく、女性では「書道」「お花」などのけいこごとや「音楽会、コンサート」など鑑賞レジャーへの潜在需要が高い。男性では「パソコン通信」「スポーツ観戦」なども上位を占めている。

年代別にみると、若い層では、非日常空間でのスポーツやアウトドア・レジャーへの潜在需要が高い。高年齢層になると全体的に潜在需要の数値は低くなっているが、自由な時間が増えるだけ、各自の趣味にあった創作活動や文化活動への潜在需要が高いようだ。

(おわり)

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