FFチェーン 冷凍米飯がトレンドに 「マックチャオ」が成功事例
ファーストフード(FF)のメニュー素材として、冷凍米飯が伸びそうな気配だ。日本マクドナルドが米飯メニューとして「マックチャオ」を導入し、人気を得ているのが刺激になっているからだ。同社では「マックチャオ」の新アイテムとして“ハンバーグ”と“チーズ”を追加、冷凍対応の米飯のウエートを高めようとしている。また、日本KFCも冷凍おにぎりを実験的に採用、和食メニューの取り組みを始めている。米飯類メーカーの冷凍米飯の用途が一気に拡大しそうだ。
日本マクドナルドの「マックチャオ」は午後5時以降のメニューで、テイクアウト客の採用は、FFチェーンの“開発トレンド”になっているわけだが、他店との差別化を図るためには、ピラフ類が最もメニュー化しやすく、加工食品をねらった商品。「当社の売れ筋ベスト三の“ビッグマック”“チキンたった”“テリヤキバーガー”に肩を並べるほどの人気メニューになっている(同社広報担当)という。
同社では米飯メニュ‐の拡大策の一環として、自店で炊飯した白飯でおにぎりをつくり現在一〇店舗で販売しているほか、カツカレーもメニュー化しているが、競合するCVSの弁当、惣菜類との差別化を明確に打ち出すためには、CVSにないメニューをつくり上げることが成功への早道になるわけで、「マックチャオ」の成功がそれを裏づけている。
ある大手冷凍食品メーカーは「CVSの弁当、惣菜類とFF店との競合はさらに激化していく」としたうえで「マクドナルドのようにテイクアウト向け米飯類が売れ筋になっているということは、それだけCVSの弁当類が“食われている”ということになる。
“マックチャオ”の成功に刺激されて、他のFFチェーンも「ピラフを中心にした冷凍対応の米飯メニューを導入するようになるだろう」と予測する。
さらに「冷凍対応の米飯の方が、CVSの弁当類よりも商品力があり、今後の需要拡大が期待できる」と指摘する声もある。「つくり立ての持ち返り弁当ならともかく、CVSの弁当は味の点で不満が残る。おいしい状態で提供できないからだ。その点、冷凍対応の米飯は客のオーダーをとってから調理するので、最もおいしい状態で提供することができる」と、冷凍米飯の優位な特性を説明する。
CVSチェーンで冷凍米飯をFFメニューに使っているのは、ファミリーマートだ。同社では六年前からピラフ類をメニュー化、現在六アイテムを揃えているが「人気メニューはメキシカンピラフ。メニューはこの間、何回か改廃しており、今年から焼きおにぎりをメニューに入れた」(同社広報担当)という。他のCVSチェーンと比べて、その面で一歩リードしているともいえるが、今後のメニュー開発が課題になるところだろう。
現在、冷凍米飯類はファミリーレストラン(FR)での需要が最も高く、この一年の伸びは、数量で二一%と大きな伸びを記録しているが、今後はFFでの需要が見込めそう。「FFチェーンとCVSとの競合は、さらに激化することは確実。現在の状況はFFチェーンが米飯のメニュー化でCVSを攻撃している図式で、CVSが苦戦を強いられつつある。米飯のメニュー化で威力を発揮するのは、やはり冷凍対応の商品であり、そのメニュー開発でメーカーとの連携をどう図っていくかが大きなポイントになりそうだ。