生かそう工場野菜・生産地探訪 ナッパーランドクラブ

1997.07.21 131号 12面

市場をいっさい通さず、ダイニングバー「プロント」をはじめ、学校給食、都庁食堂へ直接販売しているのが「ナッパーランドクラブ」。「年間を通し、しかも品質も安定して供給できるホウレンソウ」と自負する久保田裕孝社長。しっかりした形のホウレンソウは、水耕栽培でありながら葉の部分が肉厚で大きく、茎は短めの胴長短足型が特徴。

「納入先では、昔ながらのホウレンソウの味わいと、皿に盛ったときのボリューム感が良いとサラダメニューに好評」という。

同工場は四年前、久保田社長のほか二人の脱サラ組スタッフでスタート。事業を始めるに当たりいろいろ模索していたところ、農業分野でありながら発展性を秘め、未経験でもできる植物工場に行き当たり、三年間を研究期間に費やす。

土耕、水耕とも夏場に弱いホウレンソウにあえて挑戦、「青物は太陽光を入れないとうま味が出ない」と自然光型をとり、種の選定、水の温度など試行錯誤の結果、主力作物の「他メーカーとの差別化商品、昔ながらのホウレンソウ」が出来上がる。

「現在の評価は作物一〇〇点、システム六〇点だが、資金をかけずに良いものを作れることを実証したい」と、さまざまな実験の結果、最近、ルッコラの商品化に成功した。

「農業事業として伸ばしていくには、競争原理を生かして良いものを作っていくべき」と説くチャレンジ精神旺盛な農業企業家たち、今後どう舵取りするか興味あるところだ。

◆ナッパーランドクラブ(群馬県新田郡笠懸町阿左美、電話0277・77・7878)

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