水耕野菜ここまできた栽培・利用状況 「M式水耕研究所」
サラダ用野菜として根付きの「活菜」を販売しているのが、水耕栽培用プラントを製造・販売する(株)M式水耕研究所。
一般に野菜は根を切って売られているため、時間の経過とともに劣化していく。そこで、「本物の生野菜は、生きていなければ生とはいえない」(村井邦彦社長)と、魚を生けすで生かしているように、野菜を養液に漬けたままにしたのが、活菜。工場からとりたての、しかも生きたままの新鮮野菜だ。
販売品種は、サラダ菜、リーフレタス、三ツ葉、パセリ、ネギなどの葉野菜。現在のところ、コンビニエンス、酒販店などで根付き活菜を養液につけたまま販売しているが、今後は、状況や場面によっていろいろな生かし方ができるという。
生きた新鮮野菜の活菜をレストランのテーブル上に置き、お客自身がつまんで食べてよし、観賞用に緑を楽しむのもいいだろう。またサラダバーに置き、新鮮さを訴求もできる。
村井社長が、こうした土に頼らずに独自の水耕栽培プラント開発をしたのにはひとつのきっかけがあった。
昭和34年、伊勢湾台風が村を直撃し、農作物を全滅させたことだ。そんな時、水草のホテイアオイが青々と育っているのを見て「植物は土に頼らなくても生きていけるのではないか」と、研究を始めた。
「人間が快適空間を求めるように、植物にも快適な環境条件が必要」を持論に、温度、湿度などを自動制御管理する植物にやさしい水耕栽培野菜工場を完成させた。伊勢湾台風から一一年目のことだ。
こうして天候に左右されない水耕栽培も、初期には理解が得られなかったが、現在はM式プラントを使い三ツ葉を栽培する農家は全国の九〇%。全売上高約一六〇億円。
水耕栽培は計画出荷できる。今後は「工業製品のように野菜にも生産者希望小売価格をつけたい」と意気軒こうだ。
◆(株)M式水耕研究所(愛知県海部郡十四山村坂中地一‐三七、Tel05675・2・2401)