喫茶特集:業態特化を牽引する有力チェーン カフェウイーン
カフェウイーンは、音楽と森の都ウィーンのコーヒーを訴求している。ヨーロッパではコーヒーを飲む習慣は、一六世紀に入ってウィーンから始まり、その後独特のカフェ文化を発展させている。文人や音楽家、思想家、あるいは貴族たちが集まり、語らうサロンの場、これがウィーンのコーヒーハウスで、いわば、大人の社交の場という性格だ。それは現在でも変わらないが、カフェウイーンはその伝統を日本に持ち込んで、ソフィスティケートな喫茶ビジネスを展開しているのだ。
経営は(株)レストラン二幸で、日本で店舗展開するにあたっては、日本最初のケースとしてウィーン市、ウィーン商工会議所、ウィーンカフェハウス協会の認定を受けている。
この一号店は日本橋三越店で、昭和59年7月にオープン。店舗面積五五坪、客席数七〇席。店の造りもクラシックで高級感が漂っている。運営形態もウィーンと同じで、コンパクトな銀のトレイにコーヒーと水を入れたコップを載せて運んでくる。
コーヒーはブレンドコーヒーに、生クリームやチョコレートを入れた「ウインナーコーヒー」で一二種類。価格は一般の喫茶に比べやや高く五〇〇~七〇〇円。ケーキ(四五〇円、五〇〇円)も評判で、ウィーンのレシピーで作っている。昼はランチメニューも提供しているので、客単価は一二〇〇円にハネ上がる。客層は三越という場所柄もあって、女性客が八割を占める。日商五〇万円以上。高級感、本物志向で強い集客力を発揮しているということだ。
店舗は日本橋三越に加え、新宿三越、葛飾(シンフォニーヒルズ)、名古屋三越栄、仙台三越、東京国際フォーラム店と計六店舗を展開。