宝酒造が料理酒の無塩製法を訴求、加塩品と差別化図る

酒類 1999.08.20 8571号 4面

現在、料理酒には「発酵調味料」と「酒類調味料」が同じ名称で混在している。発酵調味料は、食塩を加えることで酒税法の対象外となるように設計した調味料(塩分二%程度含有)だが、酒類調味料は原料に食塩を使用していないもの。有力メーカーの中には「無塩製法」を前面に出した料理酒の訴求に傾注する動きもあり、注目される。

宝酒造(株)(京都市下京区、075・241・5122)は、酒税法に規定された原料・製法を用い、酒税法に従って醸造した調味料としての酒類を「本料理酒」と定義し、消費者が容易に認識できるよう商品のネーミングに使用している。

今年3月「タカラ本料理酒」をリニューアルし、今月4日に「蔵造り本料理酒」(一リットル紙パック=希望小売四八九円、二リットル同=同八八〇円)を全国で新発売。24日には「無塩製法」のコピーをラベルに表示したタカラ本料理酒「醇良」(五〇〇ミリリットルPETボトル=希望小売三五〇円、一リットル同=五六五円)を全国で新発売する。

同社の消費者調査によると、ほとんどの人が加塩することで酒税法の対象外となる事実を知らずに発酵調味料を使用しており、それを解説すると八割近くの人が「酒類」料理酒を選ぶことが確認されたという。

「醇良」は、原材料に食塩を一切使用していないことを消費者が明確に認識できるよう無塩製法のコピーをラベルに表示。料理にうまみ・深いコクを与える天然うまみ成分を清酒の二倍(同社比)含み、清酒と本みりん両方のマスキング(生ぐさみを消す)成分により、優れたマスキング効果を発揮する。

また、使用後、キャップのツマミを引っ張ることにより、容易にボトル本体と分離でき、別々に捨てることができる“はずせるキャップ”を採用することで、PETボトルの再生処理施設での比重分離機による除去作業や手作業による分離が不要となり、容器のリサイクル負荷が軽減される。

「タカラ本料理酒・醇良を発売することで、酒類販売免許の段階的緩和に伴い、酒類調味料の販売に本格的参入するスーパーなどの量販店において加塩料理酒との明確な違いを訴求し、消費者に対して、料理酒の選択の幅を広げるとともに、販売数量の拡大と市場の活性化を目指す」(同社広報部)

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