漢方ダイアリー:つらい花粉症 くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目の痒み
○2月10日(日)
今年はスギ花粉が去年より3倍も多く飛ぶみたい。すでに症状が出始め、鼻がむずむずしているけど、余計に憂うつになってしまう。
毎年2月上旬からスギ花粉が飛散し始め、くしゃみや鼻水、鼻詰まり、目の痒みなど辛い花粉症の症状に苦しむ人が多くなります。スギ花粉の飛散量は3月上旬が最盛期となりますので、症状の悪化を防ぐには、スギ花粉飛散開始の時期からの対応がとても大切です。
◆身体を守る「衛気」
中医学では、花粉やウイルスなど体外の異物から身体を守る力を「衛気」といいます。「衛気」とは「気」(生体エネルギー)の一種で目や鼻やのどの粘膜、皮膚や皮下組織などの体表部を巡ってバリアの働きをするもので、免疫力に相当するものです。この「衛気」が弱ると毛穴や汗腺の締まりが悪くなり、風邪をひきやすい、鼻が年中ぐずぐずしている、以前より寒がりになってきた、汗をかきやすいなどの症状が表れます。
◆「衛気」を強くするには
花粉やウイルスなどさまざまな外敵から身体を守る「衛気」を強くするために、中医学では黄耆という生薬が古くから使われています。黄耆には免疫機能の調節をし、皮膚や粘膜の損傷を修復する働きがあります。漢方処方では、この黄耆に、胃腸の働きを良くする白朮、抗アレルギー作用がある防風を加えた「玉屏風散」がおすすめです(日本では「衛益顆粒」という商品名で市販されています)。
また、「脾」(消化器系)の働きを整えることも「衛気」を強くするためには重要です。なぜなら、「脾」は「衛気」のパワーをつくりだす役割をしているからです。
外出時にはマスクや眼鏡、繊維の目が詰まった上着などを着用して、アレルゲンである花粉との接触をなるべく避けましょう。また、就寝時には、寝室に水を張った洗面器を置く、洗濯物を室内に干すなどの工夫をし、のどや鼻の粘膜を乾燥から守りましょう。
○オススメは『板藍茶』『衛益顆粒』
風邪やインフルエンザ予防の代表ハーブ「板藍根」のエキスを飲みやすいお茶にした『板藍茶』。のど飴タイプもあります。服用しやすいスティックタイプの『衛益顆粒』で粘膜強化を。
○東洋エクササイズ:鼻水、鼻詰まりに効果のあるツボ「迎香(げいこう)」
小鼻の最も出っ張ったところの、つけ根の位置にあるくぼみ。
人差し指の腹で、鼻をつまむように指圧する。また、迎香から目尻に向かって、軽くなでたり、押し上げたりする。