漢方ダイアリー:この頃、トイレで心配事が…
●11月10日(土)
このごろ尿がずっと黄色い気がするの。
以前はこんなことはなかったのだけれど。疲れがたまっているのかしら。
普段なにげなくトイレで用を済ませてしまうことが多いと思いますが、実は排泄物から様々な身体の状態が読み取れるのをご存じでしょうか。
◆熱がこもると尿が黄色に
中医学では、身体の状態を知るために、相談者の顔色や話し方、声の大きさ、生活環境や家族構成、また、食事の内容などを詳しく伺い、体質を判断する情報としています。もちろん、排泄物も大切な情報源となります。
尿が黄色い場合には、身体に熱がこもっている場合が多く、透明で量が多いようでしたら、身体が冷えていると判断します。
食事や生活のリズムを整えるだけで、改善されるようなら特に心配はいりませんが、長く続くようでしたら異常を疑います。黄色い場合には身体に熱がこもって熱毒の状態になっており、透明で量が多い場合は身体の腎気(生命エネルギー)が不足し、温める力が衰えていると考えられます。
◆緑茶やハーブティーを日常から
熱毒がある場合、皮膚が赤くなりやすく、ニキビや吹出物などがよくできます。目が赤い、便秘、イライラ、口臭などの症状もあります。
熱毒対策としては、体内にたまっている熱を鎮め、熱毒のもととなっている老廃物を積極的に排出することです。
身体の熱を冷ます緑茶やハーブティーを日常から摂取し、食事では生姜やにんにく、コショウや山椒、トウガラシなどの身体を温める食材を控えめにすることをお薦めします。また、チョコレートなどの甘いものの摂りすぎにも注意してください。
腎気が不足気味の場合、いつも生気がなく、疲れやすい、足腰が冷たいなどの症状が現れます。
普段から身体を温めながら栄養のつく食材を摂るように工夫が必要です。鶏肉や牛肉、クコの実、キノコ類、木の実類がお薦めです。腎は食事から補うことが理想的ですが、腎に作用する生薬を配合した漢方薬などを日頃から取り入れると、改善も早いでしょう。
●オススメは「五涼華」「参馬補腎丸」
熱毒をデトックスするには金銀花や野菊花などを配合したハーブティー『五涼華』を。『参馬補腎丸』は胃腸にやさしく穏やかに腎を補う漢方薬です。
●東洋エクササイズ:腎の機能を整えるツボ「腎兪(じんゆ)」
腎の機能を高め排尿のコントロールをするツボ。
腎気不足の場合には、腎を補い、熱がこもっている時には、尿と一緒に熱を排泄します。
ウエストラインの高さにある背骨の出っ張りの下から左右それぞれ指2本分外側。親指でゆっくり押して。