月刊・漢方美人:繰り返す口内炎、困っています

2007.04.10 141号 8面

Q.口内炎ができやすく、ビタミン剤を飲んでもなかなか回復しません。(30代女性)

A.心身の疲れや睡眠不足、消化機能の低下が主な原因です。

◆「心」と「脾」の働きを整える

食事のたびにしみて痛むやっかいな口内炎。ようやく治ったと思ったら、またできていたなんてことも。口内炎は、過労やストレス、偏った食事、ビタミン不足などが原因といわれています。

中医学では、口内炎は「心」(精神活動をつかさどる臓器)と「脾」(消化吸収能力をつかさどる臓腑)の働きが大きく関係していると考えます。

慢性的な口内炎は、過労や不規則な生活などで「脾」の機能が低下して、身体に必要な水分とエネルギーを生み出せなくなり、胃に熱がこもることが主な原因と考えられます。ゲップが出やすく、お腹が張り、口臭がすることもあるでしょう。

一方、急性の口内炎は、寝不足やストレス、気の使い過ぎなどで「心」の働きが過剰になり発生する熱が原因と考えられます。こういった場合には、舌の先が赤くなり、赤いブツブツが目立ちます。舌先がヒリヒリすることもあるでしょう。

◆生活習慣から見直しを

口内炎だからといってビタミンなどのサプリメントをとれば問題解決というわけではありません。普段の生活習慣から見直す必要があります。気をつけたいのは、冷たいもののとりすぎ。胃腸が冷えて働きが悪くなってしまいます。ほかには、食事を楽しむ時間的な余裕を持つと良いでしょう。

食材では熱を冷ます作用のある緑豆や大根などが特におすすめです。緑豆ともち米のおかゆは胃の熱を冷ましながら粘膜を保護してくれます。また、大根、豚肉、生姜をコトコト煮込んだスープは胃腸の働きを回復させてくれます。そのほか、中国では、沙棘の果実から絞ったオイルの抗炎症作用がよく知られ、外用に使われています。

口内炎は疲労のサインです。身体の声を聞いて、時にはゆっくり休むことも大切です。

●オススメは『星火健脾散エキス細粒』、『天王補心丹』

『星火健脾散エキス細粒』で胃腸の働きを整えて。『天王補心丹』は「心」の熱を穏やかに冷まし、不眠や不安感などの解消に役立ちます。

●東洋エクササイズ:口内炎のツボ

心身の疲れには、労宮(手のひら側、人差し指と中指がおりてきた骨の間、一番くぼんでいる所)を押す。9回押して1クールを3回。女性の場合は右手が先、次に左(男性は逆)。

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