月刊・漢方美人:目の下のクマや肌のたるみが気になって…

2006.10.10 135号 8面

Q.目の下のクマや肌のたるみが気になります。それに、秋になったばかりなのに冷えを強く感じます。(40代女性)

A.腎陽虚(腎の陽気=生命エネルギー=が不足している状態)が主な原因と考えられます。

○冷えの原因は腎陽虚

残暑も終わり、ようやく過ごしやすい気候になりました。食欲もわき、夏に消耗した体力も徐々に回復し、充実してくる頃。しかし、いつも強い冷えに悩んでいる人は、秋の訪れとともに、もともと体内にある冷えが表に出始めているのではないでしょうか。温かいものを食べても身体が温まらない、手足の冷えが改善されない、また、いくら厚着をしても寒気がする‐‐このような身体の芯までの冷えの根本原因を、中医学では腎陽虚と考えます。

中医学でいう腎とは、生殖、ホルモン系の働きを指します。女性は28歳から35歳くらいまで、男性は24歳から40歳くらいまでが腎の働きがもっとも充実しています。更年期に差し掛かり、腎の働きが衰えてくると、ひざや腰のだるさ、四肢の冷え、月経量の減少や閉経、むくみのほか朝起きた時の手のこわばり、肌のたるみや目の下のクマなどの老化現象が現れます。尿がすっきり出ないのも、腎の衰えと関係があります。

○黒ゴマ、キノコ、玉ネギ、ニンニクを

腎陽虚の症状は、冷えとともに現れます。これらは単に厚着をしたり、食事に気をつけるだけでは改善できないことも多いのです。腎の陽気を補い身体を芯から温め、生殖機能を高めて老化を予防することが肝心です。これには身体を温めて精力をつける朝鮮人参や海馬(タツノオトシゴ)などが配合された漢方薬がお勧めです。また、お血(血行不良)があると冷えを感じやすくなりますので、血流を良くすることも心がけましょう。

食事の面では、腎を補う作用のある黒ゴマやキノコ類、山芋やうなぎなど、血流を良くする作用のある玉ネギやニンニク、ニラなどを多めにとるようにしましょう。

目の下のクマや肌のたるみには、お手入れにひと手間加えて蒸しタオルでのパックやツボのマッサージなども効果的です。

◆オススメは『参馬補腎丸』、『冠元顆粒』

冷えをともなう腎陽虚の症状には朝鮮人参や海馬、ニクジュヨウのほか鹿茸、鹿腎などを配合した『参馬補腎丸』を。お血の改善には『冠元顆粒』がお勧めです。

◆シノアカフェ:くるみバー

補腎作用のあるくるみ。サクサクして香ばしいおやつを。

〈材料〉

・無塩バター…………80g

・くるみ………………100g

・マシュマロ…………100g

・コーンフレーク……30g

・ライスフレーク……30g

〈作り方〉

(1)鍋に無塩バターとマシュマロを入れ、中火で完全に溶かし、火を止める。

(2)(1)にくるみ、コーンフレーク、ライスフレークを加えてよく混ぜる。

(3)オーブンペーパーを敷いたバットに(2)を流し入れ、粗熱がとれたら冷蔵庫で30~40分冷やし固める。固まったらバットから取り出し、幅3cmくらいのバー状に切り分ける。

『お部屋で「薬膳カフェ」』(七沢なおみ著・祥伝社)から

◆東洋エクササイズ:目の下のクマ・たるみ

目の下のクマ、たるみには晴明(せいめい=ルビ、鼻の根元と目頭内側中央のくぼみ)と四白(しはく=ルビ、瞳の中央から親指1本分下のくぼみ)を人差し指で押す。晴明は真下に押すのではなく鼻筋の骨のほうに向かって。四白は温めても効果的。ともに9回押して1クールを3回。

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