新刊紹介:家森幸男著『カスピ海ヨーグルトの真実』
カスピ海ヨーグルトがブームだ。市販の牛乳に、トロトロっとしたカスピ海ヨーグルトを混ぜ、常温で一日おくだけでヨーグルトができてしまう。独特の粘り気と風味が特徴だ。知り合いに株分けができる楽しさもあって、インターネットや口コミで広まった。
このヨーグルトは、世界中の長寿地域の食生活研究を長年続けてきた家森幸男京都大学名誉教授が八六年に、長寿の地域といわれていた旧ソ連コーカサス地方(現グルジア共和国)から持ち帰ったものが元となっている。いまや教授の住む京都から遠く離れた札幌にまで広がっているほど。この本には、家森教授がどのようにカスピ海ヨーグルトと出合ったか、長寿の源としてどの点に注目したかなど、グルジア以外の長寿国でもヨーグルトを食べていることを紹介するとともに、長寿を実現するための食文化を解説。当然、カスピ海ヨーグルトの育て方、食べ方から株分けの方法もある。「どんな食べ物が長寿につながるか、みなさんがバランスのいい食事で楽しい長寿を実現できることを願う」(家森教授)思いで執筆したという同書を読んで、カスピ海ヨーグルトを生活に取り入れたい。
▽二二三ページ、一二〇〇円