中医ダイエット実践編(その4)気虚太りタイプ 栄養が足りなくて脂肪が溜まる
「気虚太りタイプ」とは
○最近の女性に多いタイプ
○下腹がポッコリしていてあまり食べないのに太る
○体力がなく、疲れやすい
○むくみやすい
なぜ、そうなるのか。
このタイプは、一見太っては見えない。しかし元気不足(気虚痰湿)によって栄養を消化吸収することがうまくいかず、体内に脂肪や水分が溜まってしまう。
●症状
声が小さく、何の目的で来店したか、なかなか聞き出せないくらい元気のない人でした。
見た目も細く、印象は暗い様子。
身体の特徴を見た目と問診からまとめると、▽一見、 全く太っては見えない▽むくみやすい▽寒がり▽尿回数が多い▽肌荒れしやすい▽疲れやすい▽生理痛がきつい▽生理周期にバラつきがある▽間食(スナック菓子、チョコレート、ケーキなど)が多い。
●診断
元気不足で結果、体内に脂肪や水分が溜まってしまう「気虚」と判断しました。最近流行の低カロリーダイエット食品でダイエットしている女性に多く見られがちな症状です。
このタイプはカロリーだけを減らし、栄養を十分に取らないケースが多い。その結果、代謝が低下し消化吸収力も落ちて、逆に太りやすい体質になってしまうのです。ただ単にカロリーだけを減らすことを考えずに、栄養のバランスを整えることで身体全体の代謝を上げることが大切です。
また、この気虚太りタイプは冷えに悩む人も多いのですが、この冷えが代謝を低下させ、むくみやすい原因となります。「身体を温める生活」を心掛け、代謝をアップさせていくことが太りにくい体質を作っていくポイントになります。
そこで漢方薬は身体を温める『婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)』、消化器の働きを助ける『星火健胃錠(せいかけんいじょう)』を。食事のアドバイスとしては間食(甘いもの)を半分に減らす、温かいものを食べることをおすすめしました。運動は、基礎代謝を上げるためのウオーキング、ストレッチなど軽いものを習慣にする。なるべく車は使わない生活をすることも徹底してもらいました。
結果、三カ月半で体重は二・五キロ、体脂肪率は五・九%も下がり、生理痛がすっかりなくなった、生理周期も整ってきた‐などの根本的な問題も解決したとのことです。こちらから見ても、体力がついたせいか、来店当初に比べとても元気で明るくチャーミングな女性になられた感じです。
【実例】
女性26歳 身長160センチメートル 体重53キログラム
体重 体脂肪率 体脂肪量 除脂肪量
(キログラム) (%) (キログラム) (キログラム)
スタート時 53 29.4 15.6 37.4
1カ月半後 52 26.5 13.8 38.2
2カ月半後 51 24.9 12.7 38.3
3カ月半後 50.5 23.5 11.9 38.6
◆食医・安川哲二の秘密のレシピ
●気虚太りタイプに効くメニュー「ニンジンとナツメ入りの豆乳スープ」
朝鮮ニンジン・ナツメ・鶏肉・豆乳などは、気虚の人に効く食材。そのほか大豆・豆腐・小麦・キノコ・玄米などもいい。
<材料>
・朝鮮ニンジン……20グラム
・ナツメ………………6個
・鶏肉………………200グラム
・豆乳………………350cc
・チキンスープ……350cc
<作り方>
(1)器に朝鮮ニンジン・ナツメ・鶏肉・豆乳・チキンスープと、塩・コショウ・酒(それぞれ分量外)を適量入れ、1時間蒸す。