中医ダイエット実践編(その3)気滞太りタイプ ストレスは気の流れを悪くする

2001.12.10 76号 16面

「気滞太りタイプ」とは

○体重の増減が激しい

○むくみが起きやすく、朝と夕方の体重が違う

○身体が張ったり、ふくらんだように太る

○お腹中心に全体的に太っている

○一〇キロは軽く変動し、リバウンドしやすい

なぜ、そうなるのか。「気滞」とはストレスなどによって気の流れが悪くなり、それによって代謝が悪くなり、身体が張ったりするからである。

【実例】

女性38歳 身長157.0センチメートル

体重と体脂肪の推移

体重(kg) 体脂肪率(%)

来店時   57.0 29.0

12カ月後 47.0 22.0

●来店のキッカケ

「なんとなく体調が悪く肌荒れも気になる」というお話でした。あまり多くを語らなかったので身体の中に日ごろのストレスがたくさん溜っているように見えました。

●症状

とにかく「ストレス」、この四文字が思い浮かんでくるような顔の表情が特徴的で、むくんだようなポッチャリとした体形でした。肌には潤いがなくカサカサしているのに口の周りにはニキビが出ているので、過食が時々起こるタイプなのではないかと考えました。「時々疲れてストレスから過食になっちゃうでしょう?」と尋ねると、急にお話を始めてくれました。

じっくり聞いてみると、「体調を整えたい」というのもあるけれど、「肌もきれいにしたい。痩せたい」という希望が強いことがハッキリ分かりました。生理前あたりから特に過食がひどくなる、過食の後はお腹が張り、消化しきれない感じがするとのことでした。

また、普段からお腹が張ったような感じがするということも分かりました。

●診断

とにかく、「食欲を抑えること」と「ストレスに強くなること」を優先に体質改善しないと痩せることはできないと指導しました。

前更年期症状(徐々にホルモンのバランスが崩れはじめることによって起こる過度なイライラ、だるさなど)が出ていたため、それも是正していく必要があると思いました。

ストレスによって起こる気滞は腸の働きも悪くします。それによっていつもお腹が張っているような感じが起こってしまいます。そこでまず脂肪の分解を促進し、ニキビの改善や体脂肪を落とすのに役立つ「三爽茶」を選びました。これを一回二包、一日三回飲んでもらいました。それから腸の働きを良くする「開気丸(かいきがん)」、またストレスの感じやすい体質や、生理前に身体がむくんだり張ったりすることを改善する「星火逍遥丸(せいかしょうようがん)」を処方しました。

飲み始めて一カ月後、顔のむくみがひとまわり小さくなって来店。少し痩せたことと体調が良くなったことで笑顔で来店してくれました。体重は変わらないのに、顔が小さく、ウエストも少し細くなったとのことでした。

処方を続けて一年後、体重は一〇キロ減、体形もスレンダーで美しくなり、別人のような印象になりました。肌も水分が潤い、透き通るように。本当に体質を改善したいと集中した期間は、「三爽茶」を一日六包飲用したとのこと。食事面に関してはどうしても甘いものを食べてしまうことが多かったのですが、無理にやめることはかえってストレスがかかるので、胃熱を冷ます働きもある『三爽茶』を飲んでもらいました。『三爽茶』を飲んでいると自然に甘いものを好まなくなったとのことでした。

お腹が張っていたような感じもすっかり取れ、そんなにイライラもしなくなった。お通じもよく、気持ちも晴れやかになったそうです。今後に備える意味でも「星火逍遥丸」は飲み続けたいという希望があり、「星火逍遥丸」と一日三包の「三爽茶」を続けてもらっています。

ストレスとホルモンバランスを改善することは気滯太りの人には不可欠と思いました。

◆食医・安川哲二の秘密のレシピ

気滞太りタイプに効くメニュー 「プラムとジャスミンのゼリー」

プラム・干しぶどう・ミント・ジャスミン茶が気の流れを良くする。そのほかシソ・柑橘類・大根・セロリなどもいい。

<材料>

・乾燥プラム………6個

・干しぶどう………60グラム

・ジャスミン茶……150グラム

・ゼリー………………6グラム

・ミント……………少々

・グラニュー糖……100グラム

<作り方>

(1)湯を沸かしてジャスミン茶を作ってグラニュー糖を入れ、冷めたら2つに分けて一方にプラム、もう一方に干しぶどうを入れる。これを1週間くらい冷蔵庫で保管する。

(2)湯を沸かして新たにジャスミン茶を作り、冷ます。

(3)ボウルに(1)のプラムと干しぶどう、プラムを漬けた液、(2)を入れ、ゼリーを溶かし加える。これを器に入れ、冷蔵庫で固める。

(4)(3)がゼリー状になったら、上に(1)の干しぶどう液をかけ、新しいプラムと干しぶどう、ミントを飾る。

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