百歳への招待「長寿の源」食材を追う:エゾウコギ茶
ウコギは中国が原産で、日本に渡来した歴史は古い。山野・丘陵・山中に帰化し、全国に広く分布している。ウコギ科の落葉低木で木部や果実を原料とした王加皮(ウーカッピー)酒は強壮・疲労回復・健胃整腹・鎮痛などに効果のある薬酒として有名である。
エゾウコギはエゾ(北海道)にあるウコギということで名付けられたが、ロシアのアムール地方やサハリンを始め、中国北部・北朝鮮などに自生するウコギの一種である。朝鮮人参と同様にサポニンが含まれ、強壮・強精に優れ、冷え性や病後の回復に効果が高いということで知られている。
エゾウコギ茶を作る場合、輸入したエゾウコギの樹皮を破片化したものが漢方薬店などで販売されている。もし自宅でウコギやヤマウコギを植栽している場合には、その茎を利用するのもよい。この場合、茎をよく洗い、風通しのよい所で乾燥する。干し上げた茶葉は粗刻みにして湿けらないように茶筒などに入れて保存するとよい。
上手な茶の入れ方として、一〇グラムほどを土瓶に入れ、水を満たし一〇分間ぐらい十分に煮出すことが望まれよう。この茶を一日に数回に分けて飲むとよいのだが、最初は少し飲みにくい場合もあるので、茎を軽く煎って少し香りを出すと飲みやすくなる。
効果は非常に高く、精力の衰えてきた人、疲れやすい人に向く。強精・強壮面にも期待されよう。低血圧や冷え性などの改善にもよく、病後の回復を早めることにも役立つ。スタミナアップ・体力アップによく、慣れてくると飲みやすくなる。お年寄りの健康管理にもよいといえよう。中国では筋骨を強め腰痛にも効果大としている。
中国では手作りの家庭薬茶として、体力虚弱・下肢軟弱によく、日常のお茶代わりに飲むとよいと勧めている。
またエゾウコギを利用して王加皮酒も併せて飲むと効果が大きい。
この作り方として、特有の香りと有効成分が皮にあるので太い主幹部より、細い枝のほうが効果が高い。細枝をよく洗い天日で乾燥し、適当な大きさにハサミで刻む。用量は容器に対し一〇分の三~四。果実は一〇分の二ぐらいとしてガーゼの袋に入れる。
砂糖は少なめに大さじ三杯程度。甘味不足の時は仕上がってから好みの量を加える。二〇日から一カ月ぐらいを限度として中身を全部引き上げる。熟成には二カ月以上を必要とする。美しいこはく色に仕上がり、漢方ムードの強い、さわやかな薬酒が出来上がる。ストレートによく、ブレンド用にも向く。
強壮強精・血行保温・神経痛・食欲増進・健胃整腸‐‐などが期待でき、お年寄りの健康用の薬酒となる。薬茶・薬酒として効果が大きい。