砂糖は健康によくない食品なのか
砂糖は単なる甘味料だけでなく、私たちの身体のエネルギー源としても大切な役割を果たしている。紀元前から作られている歴史ある調味料、砂糖のもつ特徴や効果などを知って、甘さをよりおいしくヘルシーに楽しもう。
血糖値の高過ぎる人、つまり糖尿病などの人では、砂糖や糖類の摂取に制限が加えられます。しかし、本能的に甘味は欲求する味ですから、これを全く禁止することはできません。欲求不満からくるストレスのマイナス面も無視できないからです。こういった場合は、砂糖に近い甘味でエネルギーにならないもので、その要求を満たすことが不必要なストレスをもたらさない上でも大切となってきます。
例えばアスパルテームはアミノ酸を合成して作ったものです。味覚では甘さを感じても、砂糖など糖類の甘味とは質が違います。また、アスパルテームやサッカリンなどの化学物質は熱に弱いものが多く、煮物など加熱する料理に使用すると苦みが出たり、甘味がなくなったりするので、だいたいは冷たい料理や飲料に適しています。
一方、パラチノースやトレハロースなど、砂糖から変化させた甘味料もあります。この中でトレハロースは、砂糖と同様に吸収されてエネルギー源になりますが、吸収されても血糖値が、砂糖のように急速に上昇しないなど、少し違った特徴をもっています。
これらの甘味料は、サッカリンの発がん問題など、代謝と長期使用の安全性はまだ不明な点が多くあります。エネルギーがないからと、使う習慣がつくと甘さに慣れてしまい、知らずに取り過ぎる危険も。補足的に使うなど上手に利用したいものです。
(資料提供・取材協力=砂糖を科学する会)