ヘルシー企業の顔:黒五本舗・谷内良秋社長
米・黒ゴマ・黒松の実・黒加侖・黒大豆~「黒五」は古来中国で健康に役立つ仙人食といわれてきた。タンパク質など三大栄養素やビタミン・食物繊維などの成分をあわせ持つこの「黒五」を、いち早く輸入・製品化してきた(株)黒五本舗の谷内社長。「原生種・有機栽培の植物で、人の健康も農業も経済も活性化したい」と語る。
先日の茨城の臨界事故に際し、私たちの取り扱っている商品が、白血球を増やす働きを持つということで注目を浴びております。
それは「刺苺果(シバイカ)」という植物。日本名で「山ハマナスの実」といって、北海道・知床の、冬場マイナス二〇度の世界に生きる植物です。雪の上に赤い実がパァーっと一面に広がって、それはきれいなんですよ。それが中国の黒龍江省ハルピンからシベリアにかけてのマイナス三〇度の地域でも、生きているんですね。凍らないんです。実に油が多く含まれていて命を守るんです。
この刺苺果が、チェルノブイリ原発事故の時に、ある地域から消えてしまった。ロシアアカデミーの人たちが、ごっそり採っていき、どうやら被爆した人の治療に使っているようだという。真っ先に中国のハルピン医科大学が研究に取り組み、がんにかかった研究用ラットに刺苺果を食べさせたところ、白血球増殖作用が確認されたんです。その情報が同大学の姉妹校・旭川医科大学に入り、縁あって私も昨年、同校の助教授たちと一緒にハルピンへ行き山に登って、野生の刺苺果を採ってきました。いまは北海道医科大学で臨床研究が進められています。
黒五のうちの一つ、「黒加侖」も興味深い植物です。これはB型肝炎やエイズ、風邪などのウイルスを死滅させる効果が明らかにされています。旭川医科大学が最小殺菌濃度(どのくらいの濃度でノドにくっついているウイルスが死滅するか)を調べたところ、大体当社製品(黒加侖エキス)の二五〇分の一の希釈液で、毎朝うがいしたりノドに通すと良い、さらに牛乳に入れて飲むとなお効果的と分かりました。牛乳中のラクトペリンという物質が膜となり、黒加侖の有効成分をノドにうまくとどめてくれるんです。
私たちが毎日何の気なしに食べていたものが、毎日の生命を支えてくれている。さらにウイルスを殺したり白血球を増やす働きを持っていたりするわけですから、ますます食べ物は粗末にできませんね。
中国には昔から陰陽五行説というのがあって、「五」という数字を基本に考えます。野菜を「五菜」といい、肉は「五畜」、穀物も「五穀」、味も「五味」、それで健康に役立つ黒い食べ物を「黒五(ヘイウゥ)」といいます。
黒五との出会いはおよそ三〇年前、日中国交正常化交渉の時に、岡崎加平太さんがハルピンの黒五を持ってきてくれた。それに惚れ込みまして、中日友好協会の協力を得て、まず黒米を日本で売ってみようということになり、昭和56年(オイルショックの一年あと)に初めて東京・新宿の伊勢丹に出したんです。これが売れましてね。当時は大変珍しがられて、初めて見た人はこれを「焦がしたコメ」じゃないのかと驚かれました。
昨年、北海道の上川に『野生牧場』という畑をつくり、黒米・黒麦など野生種の作物を自然体で作る試みにトライしています。
いわゆる「オーガニック」のもっと先をいって、遺伝子組み替え・品種改良しないモンゴルの原生種を有機無農薬栽培しています。有機無農薬でコメを植えると、アワもヒエも一緒に生えてくる。それを嫌って農薬を使うと、同時に安全も失うことになるんですね。
汚染されていないものを素材から。いくら「無添加で作りました」と言っても、すでに原材料が汚染されていたら意味がないでしょ。
「親切」というのは受ける人によって違う。安く売ったら親切? きれいな紙袋に包んだら親切? 食べ物は、口に入ってから排泄されるまで、安心できるものであることが一番の親切ではないかと思います。
売ったらおしまい、お金をもらったら知らないではなく、農家も流通業者も、買われた後まで気にするようでないと。
この新聞のような、元気な食べ物、元気な食糧、これが大事。みんなが元気になる食べ物をこれからも提供していきたいですね。
私はお酒が大好きなんです。お酒を飲むなというのは、あの世へ行けと言われるのと同じくらい。晩酌もしくは仲間と一杯やるのが楽しみで、早く夕方がこないかな、と昼間そのために一生懸命働くんです。私の出身地・青森では冬、雪が降っちゃうとすることないんですよ、飲むくらいしか(笑)。親父から教わった「酒は飲むものであって、飲まれるものではない」という言葉だけは守っています。楽しく飲んで歩いて帰れるうちに切り上げるのがポリシーです。
歩くことも大事ですね。私は、健康のために車を売ってしまったんです。以前へんなぜいたくしちゃって、身体を壊しかけまして。これじゃいけないと、病気になってから生活をガラリ変えました。車を手放し、いまではどこ行くにも歩きか自転車。カバン持って汗かくと、気持ちがいいし、おかげで身体も絶好調です。粗食で、夜遅くまで飲まないとか、生活リズムも体重もすべて変えたんです。大好きなお酒を一生楽しく飲むために(笑い)。