唐辛子を使った調味料7

1999.08.10 47号 3面

スパイスの普及には、東南アジアや南米料理のブームの影響も大きい。とくに唐辛子成分・カプサイシンには、ダイエット効果があると話題を呼び、トウバンジャンなど、唐辛子を原料にした調味料が大人気。「かつて一カ月に一つ二つしか売れなかった商品が、一週間で売り切れるようになった」と有紀食品(株)田中晃社長。日本で市販されているスパイスは五〇~六〇種ほど。

★スイート・チリ・ソース……唐辛子、ニンニク、砂糖、塩、酢を原料とした辛くて甘酸っぱいソース。別名「ナム・チム・ガイ」。ガイとはタイ語で鶏を指し、その名の通り鶏料理によく添えられる。主につけだれとして使われる。

★サンバル・ソース……サンバルとは唐辛子の意。唐辛子と植物油をベースにしたペースト状のインドネシアの辛味調味料。インドネシアでは各家庭で手作りし食卓に欠かさない。市販品にはトマトや蝦醤入などもあり、カレーにあう。

★トウバンジャン……蒸したそら豆、唐辛子などの主原料を合わせて発酵させた中国の辛い味噌。炒めものや揚げもの、和えものに広く応用でき、よく炒めると辛味と香りが際立つ。

★ビンダルーペースト……南インドでよく使われている酸味を加えた辛味調味料。インド料理店に行くとカレーの皿に添えて出されることが多い。好みで辛味調整に使う。

★七味唐辛子……唐辛子・ゴマ・山椒・海苔・麻の実・けしの実・陳皮などの七種を混ぜた代表的な日本のブレンドスパイス。地方により辛味の嗜好に違いがあり、関東は唐辛子を多く、関西は山椒を多く加えたものが好まれる。

★ホットソース……唐辛子を塩に漬け込み、十分発酵させたものを酢とあわせて仕上げた液状ソース。果肉が厚く多汁質な“タバスコ”という品種の唐辛子がよく使われる。強い辛味とほどよい酸味があり、ピザ・パスタなど広く用いられる。

★ヤンニンジャン……韓国のしょう油、ゴマ油、唐辛子などをふんだんに使用した香味豊かな料理の引き立て調味料。韓国では、調味料や香辛料のように、料理に味を付ける薬味を総称して薬念(ヤンニン)と呼ぶ。

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