“ワールドカップな食卓”世界の強豪達は・・・クロアチア

1998.06.10 33号 2面

次の2戦目は16日、ナントで行われるクロアチア戦。

実質的には世界のトップクラスの実力、ワールドカップ出場経験選手もたくさんいながら今回“初出場”なのは、クロアチア共和国が一九九一年に独立したヨーロッパでもっとも若い国のひとつだからだ。現在、観光、海運、造船を中心に国力充実に力を入れている。

国としては若くても、西ヨーロッパと東ヨーロッパの十字路に位置するクロアチアは歴史や文化の奥行きが深い。首都ザグレブ、ドブロヴニクなどの多くの街も古代または中世に誕生している。国土が二つのエリアに分かれる格好となっているので、たくさんの諸国に隣接する内陸部と美しいアドリア海沿いに伸びる海岸部では、文化や生活が大分異なる。

北部の内陸部では食文化においてもドイツ、オーストリアの影響を色濃く受けている。例えば加工肉でもスモークドソーセージやサラミが主流、ワインは軽くて甘みのあるドイツ風の白ワインを好む。

一方、海岸部は地中海料理のエリアだ。海沿い南部の一帯ダルメシアン地方の料理は、古くはローマ時代の基礎の上に作り上げられたもので、イタリアの影響をまともに受けている。そしてそのヘルシー感は、クリームやバターを軽くするなどの近年のフランス料理の進化、いわゆるヌーベルキュイジーヌに感化を与えたと指摘されているほど完成されたものだ。このほかの海岸部でも全般的に新鮮な魚介類にオリーブオイルと各種のハーブで味付けして、煮るか焼くかの調理を加えているメニューが多い。加工肉もドイツ風のソーセージではなくプロシュート(生ハム)など。合わせるワインは、メーンが魚介類なら白、肉料理ならヘビーな赤と料理によってセレクトするのも地中海式の様式といえる。

クロアチア料理のレシピは、よりヘルシーな南部海岸地方のメニューから「タコのサラダ」を選んだ。

■クロアチア食講評

地域によって趣きが変わるので一概にはいいにくいが、南部はとてもヘルシー。北部はもう少し保存食の要素を減らして塩分を控えた方が現代はベターか。

瞬発力八○点

持久力八五点

判断力八五点

細胞いきいき元気力八○点

◇タコのサラダ・(4人分)

〈材料〉茹でタコの足300g、ワインビネガー80cc、オリーブオイル適量、ニンニク2片、玉ネギ50g、スイートバジル2枚、塩・コショウ適量

〈作り方〉

(1)タコは1cm角、玉ネギはさいの目、ニンニク、バジルはみじん切りにする

(2)フライパンにオリーブオイルを入れ玉ネギ、タコを炒め軽く塩をする

(3)バジル、ニンニクを加える

(4)ワインビネガーを加え軽く火を通す

(5)塩・コショウで味を整え、冷蔵庫で冷ましてからいただく。

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