自由時間 急増中「マンガ喫茶」 都会で作る読書タイム

1997.11.10 26号 5面

自由な時間に何をするか、と問うと「読書」と答える人も多いだろう。では読書のスタイルは?結構多い答えが「電車の中」だったりするのだ。「自分の部屋で、好きなお茶を入れて、くつろぎの時間をゆっくりと楽しみながら…」なんて絵に描いたような答えはなかなか…。と、諦めていた同士諸君、静かで、おいしい珈琲が飲めて、ゆっくり本を読める場所が東京都内に急増中だという噂をご存じだろうか。噂の店は「マンガ喫茶」なるもの。どんなところか、とりあえず取材に行ってみた。

東京日本橋にある「珈琲の館&BooKs」には約一万五○○○冊のコミックと二○○種類の最新版雑誌が在庫してある。喫茶店とはいえどもとても静かで落ちつくスペース。日本橋という土地柄、午後の一休憩というネクタイ姿の会社員が目立つ。「そんな所で油を売って」と上司には叱られそうだが、それほど長居をする人はいないそうだ。夕方からは近くのOLが帰宅前においしい珈琲と好きな雑誌を楽しんで帰るという。「少しの時間でも好きな本を読むことで自分の時間を持てた実感がある」とは常連さんの言葉だ。

マンガ喫茶はここ数カ月急激な勢いで増え、都内だけでも約三○軒以上にもなったという。昨年夏に店を開店した責任者の金山京さんは「オープン当時には同じような店は都内に数店しかなかったんですが、増えているようですね。二○代から四○代の方が多く利用されています。待ち合わせに店を使って頂いているケースも多いようですよ。待たされている方も好きな本を読みながら待てるから怒らないですしね」。

そういえば最近結婚して話題になった芸能人、西村知美さんはマンガ好きでも有名だが、ダンナ様となった彼とのデートは「マンガ喫茶」だったそうだ。

自由時間は自分で作るもの。帰宅前のわずかな時間、営業中のほんのちょっとの時間、ゆっくり珈琲を飲みながら「読書の秋」を楽しんでみては。

取材協力:珈琲の館&BooKs(電話03・3273・2720)最初の一時間はドリンク代のみ、一○分超えるごとに三○円加算される。二杯目のドリンク代は半額。

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