だから素敵! あの人のヘルシートーク:ウガンダ・トラさん
薄着になるにつれて、女性たちの話題の中心になるものといえばダイエット。しかし健康面のことを考えれば、大人の男性にとっても関係ない話ではないはず。そこで男のダイエットフリークの第一人者、「継続歴二〇年です」という巨漢タレント、ウガンダ・トラさんに、いままで一番効果があった方法をうかがいに上った。
結婚前の一昨年、現夫人から「二〇キロやせてくれたらプロポーズOK」といわれ、これに果敢にチャレンジしたというウガンダさん。実はかなりの食通で、自分で何でもできちゃうお料理好き。
これが、逆にどうしても大きな身体を維持してしまう理由のひとつ…という気もするが、「旨いもの、楽しいこと大好き!!」という人特有のカンの良さはバッチリ。海外や地方でのおいしい店探し必殺ノウハウも披露してくれた。
何たってダイエット歴二〇年ですから、それは僕はこの分野に関して詳しいですよ(笑)。その間、いろいろな方法に挑戦してきましたね。タマゴダイエットとか、スープダイエットとか。
それで結論として得たのは、とにかくダイエットというのは長い時間をかけて長期計画でやらなくてはいけないということ。一定の短い期間に体重を落とすのは難かしくはない。そのかわり、すぐ戻ってしまう。いわゆるリバウンドというヤツです。戻るだけならいいけれど、どちらかというと、従来以上の身体つきになってしまうんです。
どうしてこういうことが起きるかというとね、人間の身体には元に戻ろう、いまの状態を維持しようという働きがあるからだそうです。いまの僕の状態は太り過ぎだから決して良くはないんだろうけど、この状態が長いから、身体の方はこれが普通だと思っている。だからちょっと体重が落ちると、前の体重に戻さなくちゃという力が働く。ばい菌が入ったので追い出そう、傷ができたから治そうという身体の働きと基本的には同じなんですね。
いまの体重は一一五キログラム。身長は一七六センチメートルでね。一番太ってたのは一〇年くらい前の一二七キログラムの時だから、その時よりも一二キログラムはやせているわけです、うん。短期間で一番やせた記録はおととし、そう、結婚前のこと。プロポーズOKのための彼女の条件が「二〇キログラムやせてちょうだい」だったものでね。
その時は一二〇キログラムあったので本当に二〇キログラム落として一〇〇キログラムになれば良かったんだけど、結果は一三キログラム減で一〇七キログラムでした。
いまももちろん長期的計画ダイエット続行中ですよ、五~六年くらいのメドでね。
小さい頃からやはり身体は大きかった。昭和二七年生まれでその時の体重が三六〇〇g。当時は二八〇〇ぐらいが標準だったそうですから。中学二年まで背も高い方で朝礼の時はずっと一番後ろ。大体いまと同じ身長で体重は七二~三キログラム、バスケットボールをやっていて完全なスポーツマン体型でした。夜9時くらいまで練習をするのでとにかくハラが減って、ご飯は毎日一日五食くらい。バスケをやめてもこの食生活は変えなかったのがイケナかったんだろうね。
いまはもちろん一日三食。二食で済ますのは絶対ダメ、これは逆効果で太ります。お昼にそんなにおナカがすいていなくてもとにかく食べるようにする。そうすると腹保ちが良くなって肝腎の夕飯をそんなに食べなくて済む、これがコツだね。
食べるものは一日三〇品目とか、大体大雑ぱに白い野菜に緑の野菜、大豆製品は必ず摂って肉食は減らす。夜食よりも朝食に力を入れるとかいろんな本に書いてあるよね。
僕の場合は、朝食を必ず食べる。外食ではどうしても野菜が不足がちになるので家にいる時、タップリ摂るようにする。乳製品も摂れなくなる可能性があるから朝コップ一杯牛乳を飲むようにする。主食はあまり食べない。ご飯は大好きだからすごくおいしいのを一膳だけ食べるようにする。昼・夜はそれまであまり食べてない食材を使ったメニューを口にする‐‐というようなことを心がけています。
参考にしているダイエット本としては、ちゃんとした病院で売っている日本糖尿病学会編の食品交換表というの。書店で売っている○○ダイエットというようなのより、断然頼りになると今は思っている。
男でこんなにダイエットに詳しいヤツ、初めて会ったって?
そんなことはない、太っているヤツなら実はみんなこういう話詳しいよ。一度は挑戦したことあるはずだから(笑)。
よく「ウガンダはやせなくたっていいよ。そういう体型で売っているタレントなんだから」って周りの人に言われます。そんな風に言われると僕も「自分でデブだなんて全然思ってませんよーっ。みんなが小さいだけでしょ」なんて言ったりして。でもそんな冗談ならいいんだけど、やはり僕のこの身長でこの年齢で三ケタの体重があるというのは、健康にいいわけない。僕はまだまだバリバリ楽しく愉快に仕事をしたいからね。これが長期的ダイエットを続けている理由。「そのままでいいよ」とかいう人は当たり前だけど、本当の僕の健康管理とか成人病対策とか考えてくれているわけじゃないでしょう。そこまで考えてくれるのは身内だけですよね。だから、その身内の気持ちに応える意味でもね。
若さに対する挑戦というのかな、そういう気分もある。ホラよく人って自分自身で老いていくと感じてしまうとすごく老けるというじゃない? 僕はいまのうちなら抵抗できるという気がする。そういうことのひとつにいまの僕の場合、ダイエットというのが入っているんです。
食べるのも大好きだけど料理も得意。しょっちゅう友だちを集めて鍋パーティーとかカレーパーティーとかふるまってます。
だからかな、海外とか地方に行って初めての街でも旨い店屋を探し出すのにはすごく自信がある。仕事柄よく、そういう機会はあるからね。せっかくだからちょっとノウハウを披露しちゃおうかな。
出張や旅行にちょっと馴れた人ならよくやるでしょ、タクシーの運転手さんに「ねぇ、運転手さんがよく行くような地元の人が集まる店、教えてよ」と聞くやつ。ところがなぜか、観光客用の値段の高いスポットに連れていかれてしまい失敗したという話、よくあるよね。
これはね、まず初めに「地元の人の~」と聞きはじめるからイケナイんです。最初の質問はまず、「僕、この街初めてなんだけど、観光客が行くのにいい店って知りませんか」と聞くのが正解。地元の人にはたとえば「日本から来た人ならこの店を紹介したい」という気持ちが絶対あるから。それを聞いた後で次に「じゃあ、もうひとつ、地元の人が行くような店も教えてよ」と重ねるわけです。両方有効な情報として活用してもいいし、場合によっては後者だけに絞ってもいい。
それから一人だけに聞いて今夜のディナーを決定してしまうのはもったいない。とにかくたくさんの人に聞く。
各都市で空港からホテルに着くまで最低五人くらいの人に聞けるチャンスがある。最初は日本語のできそうなスチュワーデスさんから始まってね。こうやって得た情報で多数決をとれば、まず狙い通りの店に行けて、求めていた通りの味に出会えることうけあいだね。
最近は、本当に旨いタイのモチ米料理、トルコの野菜サラダの作り方を覚えてきた。どこか初めての土地に行くと必ずひとつは新しい料理レパートリーを増やすのが僕の特技なんだけど、最初食べて大体八~九割は作り方が分かってもあとひと味、スパイスが分からないというようなことがよくある。だけどそれを作ったコックには絶対聞かない。その方が面白いでしょう? それでそこの普通の主婦の人に「こんな料理知りません?」って、聞き回る。旨い料理って大体その土地の家庭料理だから。やはり三~五人に聞いていくうち、「それ、それ、絶対それしかない!!」ってものが見えてくる。
こういうのに、本当にその料理を自分のものにする快感がある。食べることに関しての情熱が普通じゃないって!?
それは、そうかもしれないなあ(笑)。
五二年6月6日、東京・六本木生まれ。一〇代後半からバンドを結成し、米軍キャンプやディスコで演奏。七七年コミックバンド「ビジー・フォー」を結成、ドラム担当で人気を集める。
解散後は、持ち前のコミカルなキャラクターと大きな身体で、バラエティーやドラマ、ミュージカルなど各分野で活躍中。