旬の食材:こごみ 冬場たまった身体の毒素を追い出す
今年も春の食材の直行便は、山菜からスタートした。林や山の新芽、これから伸びようという元気な若芽はたんぱく質が豊富で元気になるモトをたくさん含んでいる。3月に入るとふきのとうが終わり、これからが本格的な山菜シーズンだ。
古い友人、安達さんからの誘いの電話を待ちながら山菜メニューに知恵を絞る。彼女は丹沢山麓(ろく)から湘南近郊の山菜メッカを熟知している。気候や温度を目安に、誰も行かないうち、しかも程よく芽が出た時に声をかけてくれるのだ。
くさそてつの若芽のこごみは、葉先を巻いた状態で七~八センチに伸びたのが旨い。一夜にして伸びてあっという間に固くなってしまうところが難点だが、山菜特有のアクや、クセがないので食べやすい。温地帯に群生し、日本各地で気軽にとれる。摘み出すとあっという間にかごいっぱいになる。素手でポキッと折る感触が快い。夏頃まで次々と収穫できるので、塩漬にして保存することもある。
かんぞうもこごみの近くに群生し、肝臓に効くといわれるが、ゆでて酢みそなどで食べるとおいしい。ミネラルをたっぷり含む山菜は、自然と共存して、冬の間たまった人間の身体の毒素を排出する役割を果たす。一年の健康は春の旬から始めるのが一番よい。スーパーに山菜が並び始めるこの時期、ぜひメニューにお試しあれ。
(自然食もてなし料理人・田村匡世)
◇…こごみ料理の例…◇
●こごみのくるみ和え
◇材料=こごみ200g、くるみ50g、砂糖大さじ1.5杯、塩小さじ〓、白みそ大さじ1杯、みりん大さじ1杯
◇作り方=(1)くるみはざっと焼き、よくすって調味料を加えてよくあわせる(2)こごみは塩を少し入れた湯でゆでて、ざるにあげて水を切り、あわせる
(コレステロールを下げる。美肌づくりによい)
●こごみの卵とじ
◇材料=こごみ100g、とりもも100g、玉ネギ中〓個、だし1カップ、酒大さじ2杯、砂糖大さじ2杯、塩少々、醤油大さじ3杯、みりん大さじ2杯、卵2個
◇作り方=(1)とりももは細かく切る(2)玉ネギは半分に切ってから薄切りをする(3)鍋にだしと調味料を入れ火にかけ、玉ネギ、こごみ、とりを入れ煮る(4)卵を割りほぐし食べる間際に回し入れて火を止める。
(丼にしてもいい)
●こごみのサラダ、ゴマドレッシング
◇材料=こごみ200g、さらしねぎ50g、レタス3~4枚、強力粉1/4カップ、揚げ油、ドレッシング(当たりごま大さじ2杯、すりごま大さじ2杯、醤油大さじ2杯、砂糖大さじ1杯、塩少々、サラダ油1/4カップ、米酢1/4カップ、水大さじ2杯)
◇作り方=(1)ドレッシングはサラダ油以外をよく合わせた後、少しずつサラダ油を入れて合わせる(2)こごみの〓を塩を少し入れた湯でゆでる(3)残りのこごみは強力粉に水を入れドロッとした衣を作ってつけて揚げる(4)レタスをちぎり皿に盛りゆでたこごみを乗せ、その上にさらしねぎを散らす(5)揚げたこごみを上に乗せドレッシングをかける。
(血圧を下げる。コレステロールを下げる)