繁盛店のまかない:桔梗苑本店「タンどて煮丼」 焼肉店のタン端材を味噌煮込み
●毎週1回のお約束丼
岐阜では、桔梗苑といえばタン塩、タン塩といえば桔梗苑で通るほど、“桔梗苑のタン塩”は有名だ。なにしろ注文率は95%以上。駅から約2km、住宅地の裏通りという立地にもかかわらず、100人中95人以上がタン塩を目指して駆けつけるというのだから、地元の熱狂ぶりは想像に難くない。
で、そのタンはというと、鮮度抜群のチルド品にこだわり、しかも硬いタン先とタン下を省いた歩留まり約50%の軟らかい芯タンのみ。2.5mm厚の美しい判型、心地よい歯応えと軟らかな肉質のハーモニーは、まさに長良川の鮎に匹敵する岐阜名物、食通がうなる美濃の奇跡といっても過言ではない。
それだけに“まかないもタン”である。仕込みで省いたタン先とタン下を活用した「タンどて煮丼」が定番だ。岐阜は赤味噌文化が根強く、岐阜の老舗を志す意味でも、毎週1回は欠かせないのだとか。
一見、品書きに昇格してもよさそうな面持ちだが、「当店にとっては硬いんです。看板料理のタンのイメージを崩したくないので出しません」(新井店主)とかたくなだ。
◆タンどて煮丼
<材料>
タン、赤味噌、醤油、酒、みりん、ニンニク、ザラメ、鰹だし
<作り方>
(1)タンを2mm厚にスライスカットし、下ゆでして臭みを抜く。
(2)鍋に調味料を入れて混ぜ合わせ、火にかける。
(3)下ゆでしたタンを加え、弱火で1時間ほど煮込む。
(4)器に白飯を盛り、タンのどて煮をかける。
(5)長ネギを添え、好みで一味唐辛子をかける。
●店舗情報
「桔梗苑本店」
所在地=岐阜市加納矢場町2ー29(ほか別館、長良店)