メニュートレンド:「インスタ映え」より「おいしさ映え」 ハンバーグオリジナルライス

2019.04.01 482号 02面
「ハンバーグオリジナルライス」1,080円(税込み)スライスしたハンバーグ、ミートソース、ホワイトソースを合わせ、「バーボンのタレ」を隠し味に

「ハンバーグオリジナルライス」1,080円(税込み)スライスしたハンバーグ、ミートソース、ホワイトソースを合わせ、「バーボンのタレ」を隠し味に

 「インスタ映え」という表現が、メニューを評価する一つの基準として定着している。その結果、“見栄え”がメニューに要求されるようになり、デザイン性、ユニークさ、目新しさ、奇抜さ……などが競われる。しかし、そもそも料理で大事なのは、そういったことなのだろうか? 「バーボン」の「ハンバーグオリジナルライス」は、その問いに「NO」と言うメニューだ。

 ●“秘伝のタレ”が万能調味料に

 食べる前に撮影することが、多くの人の間で定着している。料理を見ての第一声は、女性なら「カワイイッ~ ところが「バーボン」では、「料理をお出ししたとき、『わ~、おいしそう!』と言ってくださるお客さまが、結構いらっしゃるんですよ」と話すのは、オーナーと一緒に夫婦で40年間、同店を切り盛りしてきた渡辺るみかさん。

 なるほど、最近は“インスタ映え”ばかりがもてはやされているが、料理で大事なのは“おいしさ映え”かもしれない。「ハンバーグオリジナルライス」は写真の通り、特徴的な見栄えがあるわけではない。しかし、そこにはお客さんに思わず「おいしそう!」と言わせるメニューの力がある。

 同店はハンバーグとスパゲティの店としてスタートし、その後、メニュー数を増やしていったが、それらの多くに使用されているのが秘伝のタレ。その名も「バーボンのタレ」。

 醤油ベースで砂糖不使用でも玉ネギのほのかな甘味があり、このタレを隠し味にすることで他にはない味になる。しかも一度食べたらやみつきになる味だ。「このタレがあるからこそ、40年間、店を続けられたのかもしれせんね」と、一つの稀有(けう)なタレが繁盛店を創り出したというわけだ。

 「ハンバーグオリジナルライス」の詳細は公開できないが、特徴その(1)は、ひき肉でもミートボールでもなく、いったん焼いたハンバーグをスライスして入れていること。その(2)は、ミートソースとホワイトソースをダブル使いしていることにある。「皆さん、お皿をなめたかのように、残さず召し上がってくださいます」と「おいしそう」ではなく、「おいしい」一品なのだ。

 ●店舗情報

 「バーボン」 所在地=東京都世田谷区1-29-14/開業=1979年/坪数・席数=16坪・37席/営業時間=11時~15時、17時30分~21時30分、土11時~21時、日・祝日12時~21時。火曜休(月1回、月・火の連休あり)/平均客単価=1080円

 ●愛用資材・食材

 「ブラックペッパー(グラインド)」 エスビー食品(東京都中央区)

 安心して使える王道のスパイス

 マレーシア産ブラックペッパーを、少々粗めの粒子とパウダー状の粒子の混ざった粒子にした、王道のスパイス。プロ使用のスタンダードサイズとして、ステーキ、ローストビーフ、炒め物、スープ、卵料理など幅広く使用できる。同店では、「ハンバーグオリジナルライス」にかけるミートソースとホワイトソースを混ぜ合わせ、「バーボンのタレ」を隠し味にして、これをひと振りしている。

 規格=370g

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