ふりかけ・お茶漬け特集
ふりかけ・お茶漬け特集:ふりかけ市場=3年連続で縮小
●冷夏追い風も全般苦戦 ブランディング、業務用が伸長
ふりかけ市場は今期4~8月、前年比3%減で推移して、3年連続の縮小傾向が続いている。冷夏はご飯食が増えて追い風になったが、混ぜ込みタイプ以外の全てのカテゴリーで苦戦。定番食品や上位メーカーへの消費集約が進む。メーンユーザーの純減を明示する少子化、消費減に直結する高齢化の影響を色濃く受けている。悪環境でもブランディングの深化による消費喚起、成長する中食・外食での浸透など好材料も見られる。新商品も今秋は “悪魔”風味や珍しい高級食材の使用など新提案が充実。規模漸減を止め、回復から成長へと転じる商品・販売戦略につながるかが注目される。
市場は4%減に近い縮小幅で推移し、全体では復調の兆しが感じられにくい。17年度から続く減少はコメ消費の停滞と歩調を一緒にする。第3次ベビーブームが生み出せなかった結末の少子化、人口減は今後も着実に進む。労働人口の減少を補う一億総活躍社会では内食減は必然。マーケティングを革新しなければ生き残れないのはふりかけ市場でも同じだ。
今期は特に7月に低気温が続き、麺食が減ってご飯の登場頻度が増えたとみられる。単月で需要は上向いたが通期では苦戦した。市場は大袋直詰めがシェア4割を超えて最大構成比。混ぜ込みが2割を占めて、ウエット具材のソフトが1割。残りに小袋詰め合わせのミニパック、キャラクター、おむすびの素、大袋分封が続く。
大袋はトップメーカーである丸美屋食品工業の「のりたま」のほか、三島食品の「ゆかり」など売場の定番商品が長年堅調に推移している。「のりたま」はチップ入りやアソートを限定発売するなどして鮮度感を絶えず向上。「ゆかり」は通販・土産で人気が定着した「ペンスタイル」、「かおり」「あかり」の三姉妹情報、リキュールなどへのブランドシフトが話題となって消費を刺激した。今期は「のりたま」「ゆかり」とも前年並みの推移だが、過去最高の実績を築いて堅持している形だ。
そのほかの直詰商品では丸美屋の「牛わさび」といった大人向けが成長。徐々に独り勝ちの様相を呈し、ほかは大森屋の「男梅ふりかけ」「かねふく明太子」といったコラボ商品のヒットが目立つ。コラボは専業のニチフリ食品が先行し、ふりかけの自由で楽しいイメージを向上。SNSなどの情報拡散も促し、若年喚起を果たしてインバウンド需要も一部得ている。
サブカテゴリーで唯一、気を吐くのが混ぜ込み。トップブランドの丸美屋「混ぜ込みわかめ」が昨年、発売30周年を迎えてパッケージを改良。消費者価値を前面に押し出す、得意のリニューアル発売が着実に支持を得て、CVSおむすびの人気メニューの展開も好評。右肩上がりの成長を終え、一時過当競争で停滞したカテゴリーをけん引している。
混ぜ込みはおむすび、弁当が主用途。同タイプの拡大は用途を同じにするミニパック、おむすびの減少を招き、特に最近はおむすびの素が苦戦している。丸美屋は今秋から大きめ具材を強みに弁当が色づけできる「彩り素材おむすびの素」を導入。22~24g、120円と経済性も備えて売上げを活気づける。
ミニパックはトップの永谷園が「おとなのふりかけミニ」を刷新して売上げを大幅増。海苔増量など企画を多くし、シリーズ発売30年の記念イヤーを盛り上げている。ソフトは瓶詰フレークに押される格好が続き、ブームとなっているサバ人気を新商品で徐々に取り込みつつある。
家庭用中心の業界だが、給食やホテルの朝食、外食ランチなどで業務用市場も底堅い。今期は幅広い品揃えで先行する、三島食品が業務用開拓で成果を上げた。冷凍品のチルド解凍で使い勝手を向上。長年の価値開発、提案営業が実を結んでいる。
全体の需要の先細りは新商品の不振も背景にある。今秋は大森屋と浜乙女が揃って、ローソンでヒットした「悪魔のおにぎり」をふりかけで再現。深まる健康、低糖質志向への反動と見られる油(天かすなど)と糖(ご飯)の組み合わせの妙を広く、量販店チャネルで伝える。
大森屋の「誘惑のふりかけ」は2品で初年度売上げ4億6000万円と大型ヒットの目標を明示。若年喚起、価値向上の相乗効果も期待される。昨冬の「悪魔」人気に火が付いたのと同時発売だったのが丸美屋の「タレふりかけ」。従来のふりかけでは実現できなかった深い味わいをたれで表し、ご飯が水気を帯びて、ドライ具材の食感が生きる。今期はまだ育成過程だが、ご飯食の利点である口内調味が生かせ、1食完結の主食への価値向上も望める。
そのほかの新商品では永谷園の「えびふりかにふり」が好発進。高級素材を生かした商品力を、同社らしいインパクトのある金銀パッケージ、出川哲朗のCMで最大限に生かしていく。
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