新型コロナ:国内ワイン販売、イタリア産の輸入懸念

酒類 ニュース 2020.03.16 12026号 01面

新型コロナウイルスの感染拡大が国内のワイン販売に影響を及ぼしつつある。3月以降、外食の急速な冷え込みに伴い業務用の販売が鈍っているとみる企業が多い。外食を控える動きが広がる一方、ワインの家飲み需要が高まっているもよう。物流面では、感染拡大が深刻化するイタリアからの輸入停滞が懸念される。

日本政府が新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を発表した2月25日以降、ホテルや飲食店で宴会などの予約キャンセルが続出。当面、酒類全体として業務用の出荷減が懸念される中、ワインは中高級品を中心に需要が縮小する恐れがある。業務用のワイン販売について、流通関係者は「3月に入りコロナのマイナス影響が顕著に現れてきた」と指摘する。

一方、家庭用では外出を控える人が増え家飲み需要が増加する傾向が見られる。日本酒類販売によると、足元で郊外のSMやネットでのワイン販売が好調という。テレワークなどで都心部への移動が制限されたことで、自宅で飲酒する機会が増えているためとみている。

海外から日本に輸入するワインの物流については現段階での影響はない様子。だが今後、輸入への影響が懸念されるのがイタリア産ワイン。感染拡大が止まらないイタリアでは移動制限や店舗閉鎖措置が実施される中、通関などで物流が滞れば、日欧経済連携協定を追い風に好調だったイタリア産ワインの輸入が減速しかねない。国内インポーターは警戒感をにじませる。(岡朋弘)

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