第38回新技術・食品開発賞 食感・機能性光る 技術革新遂げた5品受賞
日本食糧新聞社制定、令和6年度「第38回新技術・食品開発賞」選考委員会が5日、東京都中央区の食情報館で開催された。ノミネートされた有力候補を対象に厳正かつ慎重な審査が行われ、5品の受賞商品が決定した。
受賞商品は、ジャムの製造で長年培ってきた「原料調達の仕組みとフルーツの加工技術」を基に開発した“やわらかフローズン製法”により、冷凍状態でも軟らかな食感を実現した「アヲハタ くちどけフローズン(いちご、青りんご、白桃)」(アヲハタ)。でんぷんを低分子化し、アミロペクチンのクラスター単位と思われる均一な分子量の新しいタイプのデキストリン「クラスター デキストリン」(江崎グリコ/グリコ栄養食品)。
マルトビオン酸・マルトビオン酸カルシウムが主成分の「骨密度維持」「骨成分の維持」「ミネラル吸収促進」「お通じ改善」といった四つの機能をうたえる機能性表示食品原料「サワーオリゴ(マルトビオン酸含有水飴)/サワーオリゴC(マルトビオン酸Ca含有粉飴)」(サンエイ糖化)。独自技術であるFRI製法を用いた、素材本来のおいしさを引き立てる調理油「クリアエール菜種油」(月島食品工業)。独自製法によって本格アルデンテ食感を残しながら、ゆで時間が丸麺形状スパゲティの2分の1以下となる時短調理を可能にした「マ・マー 早ゆでスパゲティ FineFast」(日清製粉ウェルナ)の5品を満場一致で決定した。
「新技術・食品開発賞」は、すべての食品や食品素材の先端技術を対象として食品界で新分野を開拓、新しい発展成長の原動力となり、その技術に対する評価を顕著に高めることになった製品・素材を表彰している。
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〈選考委員〉▽委員長=岩元睦夫農林水産省農林水産技術会議元事務局長▽委員=阿部啓子東京大学名誉教授、飯島陽子工学院大学先進工学部応用化学科教授、五十部誠一郎日本大学生産工学部特任教授、春見隆文日本醤油技術センター理事長、堀田国元機能水研究振興財団理事長、松村雅彦日本食品添加物協会専務理事、松本隆志東京海洋大学学術研究院食品生産科学部門教授、杉田尚日本食糧新聞社代表取締役社長
◆新技術・食品開発賞(社名五十音順)
・「アヲハタ くちどけフローズン(いちご、青りんご、白桃)」 アヲハタ
・「クラスター デキストリン」 江崎グリコ/グリコ栄養食品
・「サワーオリゴ(マルトビオン酸含有水飴)/サワーオリゴC(マルトビオン酸Ca含有粉飴)」 サンエイ糖化
・「クリアエール菜種油」 月島食品工業
・「マ・マー 早ゆでスパゲティ FineFast」 日清製粉ウェルナ