街で見つけた繁盛メニュー その発想に学べ!(15)タワーのごとく盛り付ける「豚背骨肉の煮込み料理」
●バンコクの屋台で見つけた豪快料理
バンコクの屋台で大行列をつくっている人気料理があります。豚の背骨肉を煮込み、スープと一緒に食べる「レンセープ」というメニューです。パクチー、レモングラス、コブミカンの葉などのハーブとナンプラーで香りと味を付け、タマリンドの酸味を合わせて唐辛子で辛味を利かせたタイ料理らしい味わいが魅力の煮込み料理ですが、この料理の面白い点はタワーのようにそびえ立つ豪快な盛り付け。背骨肉を縦に大きく割ってタワー状にドカンと盛り付けられていて、これを骨ごと手づかみでかぶりつく。この料理、日本にはまだ広まっていないようですが、見た目にインパクトがあり、大人数でシェアして食べると楽しい。これから日本でも、注目を集めるのではないでしょうか。
今号では、この料理をアレンジしたメニューをご提案しましょう。
●ホロホロ崩れる軟らかい肉が絶妙
豚背骨肉1500gを、水3000ml、レモングラス6本、バイマックルー(コブミカンの葉)10枚、ニンニク80g、カー(タイショウガ)80gで約3時間、じっくりと煮込みます。煮汁はみじん切りの青唐辛子10本とパクチー2分の1束分、ライム汁1個分、ナンプラー15gを加えて味を調え、スープに仕上げます。本場バンコクでは豚背骨肉を煮込む汁に青唐辛子を入れて刺激的な辛さに仕上げますが、スープにだけ青唐辛子を利かせる方が、日本人の舌に合いそうです。
あとは器に軟らかく煮込んだ背骨肉をどかんと盛り付け、パクチーをたっぷりとのせたら、スープをかけて出来上がり。ホロホロと崩れるほど軟らかい肉をスープにひたして食べると、青唐辛子のほどよい辛味と酸味が利いたアジアンな味わいが絶妙です。インパクトある盛り付けはインスタ映えし、おいしさも間違いなし。店ならではの名物メニューとして、話題になるはずです。
(飲食店プロデューサー 青島邦彰)