お店招待席=「Barn」渋谷店 テーマは野菜新メニュー

1995.08.07 82号 8面

東京・渋谷の西武百貨店A館、B館の間を東急に向かって歩くこと三分、昼夜とも若者が行き交う飲食街の真っただ中にあるのが「Barn」渋谷店。

昭和51年、キユーピー(株)の関連会社「ヴェルデ」が、今までガロニ的存在であった野菜をテーマにオープンした店舗。

テーマは“カボチャとポテト”。「自然、天然への延長線にヘルシー志向があった」とするだけに、ポテトは北海道・帯広の農場と契約してのスタートだった。

店名「Barn」が、農園の納屋を意味するように、アメリカでの農夫が一仕事終え帰った時、ゆったりと家族や友人と語り合える雰囲気をイメージした店づくり。

木製の大きなテーブルと気取らない背もたれなしの椅子、そして店内の半分を吹き抜けにした開放的な空間。建築デザイナー宮脇まゆみさんが“自分の居心地の良い店”をコンセプトにデザインしたという。

立地上、ターゲットを一〇代後半から二〇代前半の女性に置き、メーンの“カボチャとポテト”を柱に、フードで五〇アイテム、ドリンクで三〇アイテムのメニューをラインアップ。

人気メニューは別表のとおりだが、「若い女性をターゲットとするだけに、味もさることながら見た目の第一印象の感動を大切にする」(大木貢営業部長代行)とし、常に新鮮メニューを心掛け、年二回、4月と10月には、一五~二〇アイテムを入れ替えて季節感を出す。

ロングランの「ベイクドエッグアメリカン」七〇〇円は、ソーセージ、ホウレンソウ、ポテト入りブラウンソースの目玉焼きというシンプルなもの。

「素材は当たり前のものだが、食べ方を提案したのが受けたのでしょう。女性の場合、傾向として食事なのかデザートなのか判然としない中間的メニューに人気がある」という。

厨房、ホールのスタッフ一一人全員がメニュー開発に積極参加する。

こうした体制は、厨房とホールとのコミュニケーションをはかり、さまざまの情報、意見を出し合う。また、銀座店など系列店同士で試食会を行い、お互いが率直な意見が出せるよう日頃からの積み重ねによるところ大だ。

「スタッフには、どんどん食べ歩きをするよう奨励し、提出された新メニューをリストアップ後、売れ筋人気順に褒賞を与える」などの施策もとる。

「今後、食の情報発信基地として、メニュー数ではなくあくまでもオリジナル性の高いメニューを開発したい」というほど、メニューには力を入れる。

若い一見客が多いだけに、いかに視覚による訴求で客を誘い入れるかが大きなポイントのようだ。

時々この店に立ち寄るという俣野百合代さんは、「Barn」の魅力を、「女同士で気軽に楽しく食べられるカジュアルな店。ボリュームたっぷりで安い。みんなで取り分けて食べるので、いろいろなものが食べられて良い。だんだん和風味が好きになっていくが五~六人で賑やかにやるには、こうした店がピッタリ」という。

★ベイクドエッグアメリカン………700円

(ソーセージ、ホウレンソウ、ポテト入りブラウンソースの目玉焼き)

★びっくりパンプキングラタン……980円

(カボチャ丸ごとのたっぷりチーズ)

★バーン風オムライス………………920円

(オムライスグラタン)

★カボチャのとんがりコロッケ……320円

(アイスクリームコーンで被せたユニークコロッケ)

★ワイルドパンプキンピザ…………850円

(ナンを生地にした変わりピザ)

※ドリンク類では、カクテル(580~800円)やワイン(620~1300円)が人気だ。

「Barn」渋谷店

〈創 業〉昭和51年

〈所在地〉東京都渋谷区渋谷一‐四‐一三、Tel03・3407・1188

〈営業時間〉午前11時30分~午後11時30分、年中無休

〈店舗面積・席数〉九〇坪、八四席

〈従業員数〉正社員一一人

〈客単価〉昼夜の平均一五〇〇円

〈一日来店客数〉平均三五〇人

〈平均月商〉一七〇〇万円

〈客層〉一〇代後半から二〇代前半の女性

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