数字で読み解くフードサービストレンド:居酒屋の回復のカギは、利用頻度

2021.02.01 504号 10面

 コロナ禍で深刻な影響を受けている居酒屋業態。回復のカギを探りたいと思います。

 エヌピーディー・ジャパンが提供する外食レシートデータ『フードサービスレシートトラッカー』で居酒屋の利用状況を見てみると、日本全国15~59歳で和風居酒屋主要56チェーンを1回でも利用した人の比率(利用率)は、新型コロナの影響で最も客数が減少した2020年4~6月が3.8%と、前年同期の7.2%と比べ大きく減少しました。20年8~10月には、利用率は5.9%まで回復しました。レシート単価も大きく下がっています。興味深いことに、利用頻度(56チェーンを1回でも利用した人の56チェーン計の平均利用回数)は、4~6月期も8~10月期も19年より20年の方が高いことです。

 外食・中食市場情報サービス『CREST』で、20年8~10月の和風居酒屋の店舗選択理由を前年同期と比較してみると、「便利な立地」や「同伴者が決めた」という理由で選ばれる比率が減少し、「食べ物がおいしいから」「いつも行くから」「店を気に入っているから」という理由で選ぶ比率が大きく伸びています。

 ニューノーマルでは、他の人に誘われて、たまたまあった店に行くというよりは、おいしいものが食べられる気に入った店に、安心してよく行くようになっている状況がうかがえます。リピーターを獲得して大事にし、1回の客単価は低くとも、何度も来てもらうことが、ニューノーマルでの居酒屋回復のヒントになるといえるでしょう。

 (エヌピーディー・ジャパン 東さやか)

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