漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(131)立春 余寒はあともう少し
●24節気 立春(2月4~18日頃)
「立」には始まりの意味があります。冬が終わり春が始まる時節。二十四節気をさらに3つに分けた七十二候では、初候は「東風(とうふう)こおりをとく」。立春を過ぎて最初に吹く南寄りの風、春一番ももうすぐ。次候は「うぐいす なく」。春の訪れの代名詞、あのさえずりが。末候は「魚(うお)氷に上がる」と湖の氷が割れて魚が飛び跳ねる様が。イワナやヤマメの渓流釣りも解禁されます。
新茶摘みの「八十八夜(はちじゅうはちや)」や、台風の特異日とされる「二百十日(にひゃくとおか)」などの数字は「立春」の日から数えての日数。それほど立春は基準となる日とされます。
立夏、立秋、立冬と1年に4回、「立」のつく季節があります。その季節の挨拶ではよく「暦の上では春とはいえ、まだまだ」というような言い方がされます。確かに節分の翌日の2月初旬、寒さは本番で「春」はピンときませんが、もともと二十四節気はその日1日でなく、14~15日の期間を指します。2月になっても残る寒さは「余寒(よかん)」と呼ばれていますが、寒いのも、もうあと少し。日いち日と春が近く移ろいを感じて、冬の間の十分に養生したエネルギーを徐々に解き放っていきましょう。
季節のおすすめは春菊。栄養価が高く、免疫力アップとイライラを抑える働きもあります。
●春菊
【栄養学】β-カロテン・ビタミンB、C、K・カリウム・カルシウム・鉄などを含み、栄養価が大変高い野菜です。
【薬膳学】肺の状態を良くして、体内の余分なねばねばした水分を取ります。咳や痰を抑え、食欲増進、口臭予防にも効果があります。
(東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 岡本正子(レシピも))
◆春菊のチヂミ
香り成分で食欲増進、骨を丈夫にして体力強化
エネルギー344kcal たんぱく質7.5g 塩分0.8g(1人分)
<材料・2人分>
・春菊……1/2束
・にんじん……6cm
・長ねぎ……1/3本
・しょうが……10g
・桜エビ……大さじ2
・いりごま……大さじ1
・小麦粉……1カップ
・片栗粉……大さじ2
・水……1カップ
・ごま油……大さじ1
《たれ》豆板醤・小さじ1/3、しょうゆ・小さじ2、酢・小さじ2、砂糖・小さじ1
<作り方>
(1)春菊は長さ3cmに切る。にんじんは長さ3cmのせん切り、長ねぎは小口切り、しょうがは皮ごとみじん切りにする。
(2)小麦粉、片栗粉、水を合わせて、サックリ混ぜる。(1)と桜エビ、ごまを混ぜる。
(3)フライパンに油半量をひいて熱し、(2)のタネを半分ずつひろげて入れ、両面を中弱火で3分ずつ、こんがり焼く。
(4)たれを合わせて、食べやすく切ったチヂミに添える。
※春菊は茎もおいしいので捨てずに使います