トップが語るわが社の秘策 シダックス・志田勤社長

1996.01.01 92号 18面

(1)長い間、バブルの後遺症に悩まされてきたが、ことしは明るい展望が開けるものと期待している。

金融機関の不良債権処理などの課題が残されてはいるものの、企業はこれまでにリストラを断行して身軽になっているので、将来に向けて次の展開を図るための設備投資が活発になるものと思われる。

消費面ではコンピュータの販売台数がテレビ受像器のそれを上回る勢いにあることが好材料。百貨店売上げは引き続き不振ながら、ディスカウントショップやスーパーの売上げは増勢にあり、個人消費は必ずしも低調とはいえない。

株価の上昇も明るい材料といえる。景気の先行指標といわれるだけに先行きの明るさを予見したものといえよう。株価の上昇は、土地取引やその他の面に好影響を与えるものと見られ、設備投資と消費を軸に年後半にははっきり目に見える形で景気の上昇が実感できるだろう。

こうした景況の好転を写して、外食産業についても繁忙期を迎えることになろう。しかも、企業の合理化・効率化が進んでいるだけに利益をともなってくるものと思われる。

問題は魅力ある商品なりサービスを提供できるか否かにある。したがって、企業間格差は今後、顕著になってくるだろうが、企画力、資金力など力のある企業は、ここで大きく業績を伸ばすはずである。

(2)一般産業給食に加え、将来性が高いと見られる病院給食に力を注ぎ、業績面では引き続き増収増益基調を維持する。

社内的には組織の簡素化、コンピュータネットワーク化などの社内合理化策に加え、新食糧法への対応(コメのPB化と仕入れの広域化など)、円高メリットを生かした海外輸入食材の活用を展開中だが、これらをさらに強化、推進して、経営基盤および企業競争力を強めていきたい。

(3)「食」のあらゆる分野にわたる総合的な研究開発(R&D)を一層強化し、引き続き給食産業をリードする地位を維持していきたい。

企業としては総合健康産業を目指す。その一つとして農業公園構想の早期実現を図りたい。

また、平成8年中のできるだけ早い機会に懸案の株式公開を果たしたいと考えている。

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