ノンアルワイン、業務用で需要急増 酒類提供停止受け
アルコール分を含まないワインテイスト飲料の需要が結婚式や披露宴を開催するブライダル施設などで高まっている。政府の緊急事態宣言発令に伴う飲食店の酒類提供停止の影響とみられる。ノンアルコールのワイン系飲料の流通量はいまだ少ないが、婚礼の場のほか、レストランや飲食店からの引き合いも強い。(岡朋弘)
輸入ワインなどを扱う酒類商社のモトックスは、3度目の緊急事態宣言下で、フランス産のワインテイスト飲料「ピエール・ゼロ」の引き合いが強まっているという。特にブライダル施設や飲食店、業務用酒販店からの問い合わせが多く、酒類の提供ができなくなった影響が強く出ているとみている。
ピエール・ゼロは食事と組み合わせてフードペアリングが楽しめるアルコール0%の本格派ワインテイスト飲料だ。オレンジジュースなどと合わせればアルコール分0%のカクテルが作れる。
ワイン大手のメルシャンも昨年発売したノンアルの炭酸飲料「メルシャンスパークリング アルコールゼロ」の需要が結婚式場などで高まっていると話す。量販店の採用も増えるなど、家庭用市場での広がりにも手応えを示している。
メルシャンによると、ノンアル市場に占めるワイン系商品の販売量構成比は全体の0.8%にとどまり、ワイン系ノンアル商品の伸びしろが大きいとみて、6月29日に新しいノンアル商品を投入し市場拡大を目指す。
今回発売する「MOCKBar(モクバル)」は、ぜいたく感が味わえるノンアル商品として開発した。ワインを果物や香草などで香り付けした「サングリア」らしい味わいが楽しめる中身に仕上げた。すでに発売前からレストランなど飲食店からの引き合いが強いという。