食品産業文化振興会、大島誠氏が講演 米国小売業のDX戦略、コロナ禍で結果に差
パナソニック・コネクティッドソリューションズ社・現場プロセス本部エグゼクティブインダストリースペシャリストの大島誠氏は、20日にZoomビデオウェビナーで開かれた日本食糧新聞社主催の食品産業文化振興会で、コロナ禍の米国小売業から学ぶDX戦略-コロナ禍の2020年・小売業は何を学んだか-をテーマに講演し「米国小売業はコロナ禍で何か特別な対応をしたわけではなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略として以前から計画・推進していた内容を追加・修正して対応していただけで、適切な投資をしてきた企業と、してこなかった企業、その差が結果として2020年に表れただけだ」と語った。
大島氏は、米国小売業Walmartの事例に触れ、コロナ禍では入店や接触が必要な今までの商品ピックアップ方式とともにBOPIS(Buy Online Pick Up In Store)が減り、BOPAC(Buy Online Pick Up At Car)への切り替えが進み、駐車場での商品ピックアップや配送の取組みが増えていることを紹介。また現在では、ドライグローサリーは店員がピックアップし、生鮮品は消費者自らピックアップするハイブリッド型の店舗実験も進んでおり、Walmartのように常にトライ・アンド・エラーでDX戦略を実践していくことが重要だと強調した。
一方コロナ禍で、ほとんど対応していないKrogerのような小売業もあり、購入方法はもちろんのこと、買い物の「楽しさ」「わくわく」をCXの観点でどう提供できていくも含めて、次のパンデミックに備えるためにもDXの準備が必要だとまとめた。(阿久津裕史)