ジョナサン成功の要因と今後の展望 ジョナサン・横川章社長講演から

1996.05.20 101号 16面

九五年度の外食産業市場は〇・五%増でほぼ横ばいという結果が出たが、(株)ジョナサン(4月1日、ジョナスから社名変更)の九五年度決算は、売上高三四〇億一八〇〇万円(対前年比一五・六%増)、経常利益一六億六三〇〇万円(同三一・七%増)と大幅な増収増益となった。客単価は〇・九%減だったものの、客数で四・六%、既存店売上げで三・六%それぞれ増えた。個人消費回復の手応えがまだ弱い段階でも、確実にFRへお客を取り戻しつつある。このほど行われた日本フードサービス協会4月度トップセミナーの横川竟社長の講演から、こうしたジョナサンの成功の要因と今後の展望を紹介する。

今後FRを展開していくには立地、店舗、サービス、教育、組織、料理をもう一度考え直す必要がある。

立地や店舗に関しては今までの幹線道路添いに建てる方式では、土・日や祝日はある程度集客できるが、休日の客を当てにしていては売上げは伸びない。幹線道路や商店街から住宅地に入るあたりが平日でも集客しやすくベスト。これで問題があるならば品揃え、オペレーション、音楽や音の質、酸素量と温度のバランスやいす、テーブルの高さや広さなどに目を向けて再度考えてみること。要は経営者が客の立場になって考えることである。

また社員のやる気があるかないかで店の経営が大きく左右される。能力よりもやる気のある社員にチャンスを与えることが大切。能力はその後に評価してもよい。問題はいかにやる気があるか。そして社員が仕事に誇りを持てる集団を作ること。

景気などは言い訳にすぎない。人材を育成するのは、景気で売上げが変わらずに保てるようにするため。それにはトップが軸となり大事だと思うことを実践することが必要となってくる。これからのフードサービスで最も重要なことは集合教育などではなく、いかにして心の教育をしていくかである。このことは三年後、五年後、今よりも重要視されてくる。

それらの問題を解決してはじめてお客様の居心地の良い空間を作りだし提供することができる。また実行すると差別化になり集客力が上がることは確実。さらにマネジャー中心経営体制をとり、店長や事業部長が中心となって経営していく形式を進めている。

マネジャーは本部に目を向けず客や店に目を向けていくべきだ。本部はやりやすいように仕組みを変えたり困っていることを助ける所である。本来は事業部長に権限があり、本部が決定する権利はなくすべき。

また最近は八〇%の人が独立を希望して入社してくることから将来的には全店舗の半分をFCにする考えも持っている。

料理面では子供向けのメニューを基本とする時代は終わり、家庭で主導権を持つ三〇代の主婦に支持されるメニューを基本に考え、家庭で作れないもの、調達できないもので家庭の料理の味を越えるという外食の原点に回帰するようにしている。

メニュー作成でも売上げ確保の基調商品、年四回の季節商品、じっくり育てる未来商品、一年以上売らないファッション商品、店のイメージ商品などの商品構成をバランスをよく考えながら組み立てている。

有機食材に関しては人口増加などの問題からこれからは自給自足の時代が来ると考え、半分以上の輸入を禁止し、できるだけ国産のもので対応。外国産は一つの国から輸入を打ち切られても対応できるように同じものを二ヵ国以上から輸入するようにしている。

また料理は塩と水が決め手となるためさらなる勉強が必要。いくら良い素材を使っても塩と水が良くないと味にも健康にも良くない。現在バリ島でとれるミネラルなどを多く含んだ塩に着目している。さらに安全でおいしい有機野菜を使用することにより、これからはもっとおいしく健康的な外食文化にチャレンジしていきたい。

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