流行グルメの新潮流:昨夏から人気爆上がり 「パストラミ」がエモい!
●トッピング活用でブームの可能性
次なる流行グルメとして、今、注目したいのが「パストラミ」だ。外食ビッグデータ分析サービス「FoodDataBank」の調査結果によると、グルメコミュニティーアプリ「SARAH」におけるパストラミメニューの口コミ投稿数がここ数年、右肩上がりで、昨年夏ごろから人気が急上昇。今年の9月にはピークを示したという。
パストラミを取り扱う店舗が増え、認知度が急激にアップしたのは、サンフランシスコの人気デリカテッセン「WISE SONS」の海外1号店となる「WISE SONS TOKYO」が2018年に東京・丸の内でオープンしたのが一つのきっかけ、といわれている。同店を運営するジローレストランシステム広報によると、オープン当初からパストラミサンドは一番人気だったが、特に注目度が高まってきたのは「肉サンド(というカテゴリー)が盛り上がってきた19年ごろから」と認識しているという。
なぜ今、「パストラミ」が流行の兆しを見せ始めているのか。その魅力について、ニューヨークのレストラン「Katz’s Delicatessen」のパストラミにインスパイアされたという本格サンドイッチ店「Qino’s(キノーズ)」の木下也寸志社長は、「硬さが程よく、牛肉のうま味を堪能できるのがパストラミビーフの大きな魅力。調味料に漬け込んで作るため、牛肉特有のにおいが苦手、という人もトライしやすい」としている。実際、何層も重ねたパストラミは食べ応えと肉の強いうま味がありながらも、しっとりと軟らかい食感で、他の肉料理とは一線を画す。見た目にも存在感があり、何層も重ねると“萌え断”が演出できる点は、“映え”を求める現代の風潮にもマッチしている。
そして、「パストラミ」人気はサンドイッチ、バーガーを超え、料理に付加価値を与えるトッピングにも波及している。前出の「FoodDataBank」の調査結果では、ラーメン、カレーなどの定番料理にパストラミを使用することで、消費者の評価は格段に上がっている。定番料理にインパクトと特別感をプラスでき、価格アップにもつながるというわけだ。
パストラミを使ったこれまでにない新グルメを編み出すことができれば、大きな評判を呼びそうだ。
◇人気「パストラミ」サンド・バーガー選
●「Qino’s Manhattan New York(キノーズ・マンハッタン・ニューヨーク)」 東京都文京区小石川4-21-2
・「ニューヨークルーベンサンド」 2,050円(税込み)
ビーフパストラミを160g使用。日販で最高50食
・「ニューヨークルーベンバーガー」 2,000円(税込み)
牛の肩肉を使用し、1週間熟成させて作る同店のパストラミビーフは、「ハムというより肉!」(木下社長)。ビーフパストラミを80g使用。日販で最高40食
・「ポークパストラミ」 1,550円(税込み)
ポークパストラミを80g使用し、コールスロー、トマト、モッツァレラチーズを挟んでスイートチリソース、ハニーマスタード、マヨネーズで調味。日販で最高40食
●「WISE SONS TOKYO(ワイス サンズ トウキョウ)」 東京都千代田区丸の内2-4-1丸ビル地下1階
・「REUBEN(ルーベン)レギュラーサイズ」 1,280円(税込み)
サンフランシスコの人気デリカテッセン「WISE SONS」の海外一号店。本国のレシピを再現した手作りのパストラミを使用。ライ麦パンにパストラミ70g、ザワークラウト、チーズを挟み、ロシアンドレッシングで調味
●「THE GOOD VIBES(ザ・グッドバイブス)」 (芝浦店)東京都港区海岸3-13-12コンフォリア芝浦バウハウス1階/(キッチンカー)東京都千代田区麹町2-4-1 麹町大通りビル前
・「自家製・手仕込みパストラミサンド」 1,250円(税抜き)
塩漬けしたUS産ショートプレートをスモークし、ホロホロの状態にした肉厚のパストラミを約180g使用(芝浦店)